311906
萬井 博行 よろい環境計画事務所

[ HOME日記TOP記事検索携帯用URL管理用 ]
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

2017/06/21(Wed) 牧谷窯萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



わりと前の話ですが、鳥取市にて私の友人が企画したイベントにふらっと寄ってみたところ、以前から気になっていた『牧谷窯』の器を発見。

器を買うときは持っている器との組み合わせをイメージしながら決めるので、最近はあまり衝動買いしないのですが、独特な模様と色彩に惹かれて購入しました。

作家の杉本さんは鳥取市岩美町の『岩井窯』で修行された経緯をお持ちですが、岩井窯独特の落ち着いた色調の釉薬と焼締めを駆使した作風ではなく、鮮やかな彩色で構成した器を中心に創作されているようです。

ジオパークに指定された浦富海岸のある牧谷地区で開窯されているそうで、雄大で美しい海岸線に囲まれた工房からこの軽快で色鮮やかなデザインが影響していることが連想できますね。

独特の幾何学パターンの模様は、筆で描かれたようにカチッとしたラインではなく、無作為に出来上がったような不思議と引き込まれる表情。
この表情を生み出す『練り切り』という技法は、異なる色の粘土を重ね合わせていき、ブロック状のかたまりを作ってからそれを板状にスライスして形作るという工程で、手間と時間と綿密な計算に裏付けられていることが窺われます。
金太郎飴をイメージすると判りやすいと思いますが(例えが安っぽい…)、裏も同じ模様が出来上がるのがこの技法の特徴ですね。

何度か都会催されている展示会ではとても人気があるそうで、ネットショップでも品薄のよう。(露店の雑器のごとく手に入れちゃったけど…)

今度は窯元に行ってゆっくり拝見したいものです。




2017/06/12(Mon) 『商栄町の家』 引き渡し萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



一昨日は鳥取市、『商栄町の家』の引き渡しへ行ってまいりました。

2世帯住宅のこの計画では、世代間による生活リズムの違いやプライバシーを配慮しつつ、オープンな共用スペースの使われ方を注意深く探りました。

居間から望める中庭との間には来待石で敷かれた土間スペースとテラスを配置し、それぞれ少しずつ段差を設けることで内部と外部を緩やかに繋げる意図。
居間では大人数が一度に集えるよう、クライアントが2,400×1,100ある無垢材の座卓を選択されたことで、ソファに比べて目線が低くなり、土間、テラス、中庭と生活空間の“一体感”がより増したように感じます。

土間に配した薪ストーブの煙突は上階サブリビングを抜けて暖気を万遍なく廻す煙突ルート。
テラスには薪のストックスペースを設けることで、薪の供給動線をコンパクトにしています。
2枚の木製建具は引違ではなく、1方をFIXに、1方を片引きにして、敷居を埋めることで外部からの冬場の冷気を抑える納まりにしました。

木製建具上部には天然木をスライスしたロールスクリーンを設置予定。
取り付け部の金物を見せないように木製建具と同じ洋桜のスクリーンボックスを設けると同時に、その裏にLEDテープライトを付けることで空間の照度バランスと奥行き、陰影を表現しています。

深い軒から木製建具を介して入る淡い自然光が来待石に散光して造り出すしっとりとした“空気感”と、東西・南北と開口部が向かい合って風が抜ける快適さを、拙い写真と文章では伝えづらいのが残念なところ…。

いつも設計意図を尊重してくださった施主さま、工事に携わって下さった施工業者さま、誠に有難うございました。




2017/05/30(Tue) 『東福原の家』 棟上げ萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



昨日は米子市、『東福原の家』の棟上げを行ってまいりました。

熱心にブログを見てくださる方には「え、平屋…。」と突っ込みを受けそうな気がしないでもないですが、実は当初の計画案より2度大きく変容した経緯がありまして、最終的にこのシンプルな切妻屋根のフォルムに納まりました。

プランニング自体は最初の2階案を踏襲したもので、パブリックスペース(居間・食堂)とプライベートスペース(寝室・子供室)を分けてゾーニングしたもの。

コンパクトな外観から受けるイメージと相反するように、内部のパブリックスペースは視界の抜けた広がりある内部空間を意図しています。

約1.2m持ち出した緩勾配の軒は低く保ち、夏場の直射光と向かいマンションからの見下ろしを緩和するとともに軽やかなシルエットを形成。
深い軒下にはアプローチ、ポーチ、テラスを配して、外部空間から内部空間の導入を緩やかに、且つ抑えたスケールを経由することで内部空間の広がりを相対的に感じさせます。

屋根材はケラバがスッキリと納まる三州平瓦を採用。
瓦の重量と軒の出を勘案して垂木断面寸法を確定し、通常垂木よりサイズアップさせたことにより母屋桁のピッチが広げられ、より整然とした軒裏と内部天井の表現が可能となりました。

昨日は快晴の棟上げ日和でしたが、工務店ならびに大工さんには炎天下の中作業いただき、とても感謝しています。




2017/05/22(Mon) ほたるかずら萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



ここ数日、日中は真夏日のような暑さですね。
食事も“家庭料理”のようにバランス良く少量だけ摂りたいのですが、外食ではなかなか見当たらないものです。

先日鳥取市、『商栄町の家』現場監理帰りにランチで立ち寄ったのは、その条件に一番適しているであろう、鹿野町にある『ほたるかずら』。

豆砂利舗装された街路の脇には昔から生活に根差した水路が流れていて、城下町の名残ある住宅地に位置するこのお店。
地元民以外まず知りえないと思われるほどの“隠れ家度”(車ではアクセスできない…)と、金土のランチしか行わないという“レア度”においては県内トップクラスを誇るでしょう。

日替わりランチは2種類のメインが違うのみで、ワンプレートの皿にサラダ、和え物、メイン、ご飯が盛られて、お味噌汁がついて¥500-という驚愕の安さ。

先日は『鶏の竜田揚げ定食』をオーダーしました。
全体的に薄味で、生姜醤油で下味をつけた竜田揚げは母親が作ったようなホッとする味ですね。

食後のコーヒー(¥250-)も豆と淹れ方に拘りを感じます。

無理のない範囲の営業で肩の力を抜いた接客も安らぎを与えてもらいました。




2017/05/16(Tue) 『商栄町の家』 足場解体萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



来月に引き渡しを控えた鳥取市、『商栄町の家』の現場では、外壁足場が外れて全容が顕わになりました。

6人家族で構成されるこの2世帯住宅では、多機能で複雑になりがちなプランとフォルムをいかにシンプルにまとめられるのかが、テーマのひとつでした。

パブリック空間(共用の居間・食堂)をプランの中心に配置し、同心円状にセミパブリック(スタディスペース・サブリビング)、パブリック(寝室・子供室)を配することで、はっきりとした“境界”を設けず、プライバシーを保ちながらお互いの気配を緩やかに繋いでいます。

“引き”が取れる隣地の公園側に対しては軒を低く抑え、緩勾配の大屋根が2階プランも内包したフォルム。
屋根を軽やかに、且つエッジがスッキリ納めるよう艶のない『三州平瓦』を採用しました。

現場では大工工事が終盤に差し掛かり、左官、石工事、内装、家具・建具、設備工事と各業者がごった返し殺伐とした緊張感に包まれる頃。
ケガなくケンカなくフィニッシュへ向かってほしいものです。




2017/05/08(Mon) 門脇家住宅 見学会萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



このたびのゴールデンウイークはそれなりにのんびり過ごさせていただきました。

先日は年2回催される大山町所子にある国の重要文化財、『門脇家』の公開見学会に行ってまいりました。

江戸時代、約250年前に建てられた主屋は、間口11間(約22m)、奥行き7間(約14m)からなる寄棟造りの茅葺屋根。
2年前には茅の葺き替えもされたそうで、広い前庭から望めるおおらかで勇壮な屋根が門をくぐった瞬間に目に飛び込んできます。

古民家の平面は、作業する空間(土間)、生活する空間(座敷)、客を招く空間(客間)の大きく3ゾーンに分かれていて、その点については門脇家も同じですが、大庄屋を兼ねたこの建物では対応する客によって入口を分けていたそうです。

4層構造になっている玄関土間の大梁の迫力や、5本の建具溝が掘られている精度の高い差し鴨居など、当時の材料を見るだけでも贅が尽くされていたことがよく窺われます。

主屋裏にある蔵の保存状態も素晴らしく、集落内で産出された『阿弥陀石』を基礎石として使われているようです。

この門脇家住宅のある所子集落は建築もさることながら、生活に根差した水路が町並みの風景となって、伝統的な農村景観を形成しているところが、国の『重要伝統建築群保存地区』に指定されたそうです。




2017/05/01(Mon) 木材原木市萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



先日は鳥取市『商栄町の家』の現場協議後、八頭郡智頭町にある製材業者、『潟Tカモト』さんへ木材の打ち合わせに行ってまいりました。

鳥取市からのアクセス道も良くなり30分くらいの所要時間で到着しますが、長いトンネルを抜けた先に広がる山林に囲まれた智頭の緑は濃くて、目の前に迫ってくるような立体感が市街地の自然に比べると強い“生命力”を感じます。

その日はちょうどタイミングが良く、月に3回開かれるという『原木市』を見学することが出来ました。
春に入って徐々に木材の量が増えてきたそうで、県外から買い付けに来る業者さんも居られて盛況のようでした。

広大な石谷林業の敷地に雑木、杉、ヒノキをそれぞれエリアに分けられて、1本あたり10秒くらいの競りで繰り広げられる駆け引きは独特の緊張感が伝わってきます。

サカモトさんには木の断面からその材のクセや木取りのコツなどを教えていただき、あらためて木の奥深さを感じると同時に、流通における設計仕様のあり方も勉強になりました。

さすがに“杉の名産地”として名を馳せているだけあって、密度の高い断面の智頭杉を見ると、どこかストックできるところがあれば普通に買い付けに来たい、と物欲が溢れる次第…。




2017/04/13(Thu) よしぱん ランチ萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



本日はクライアントと一緒に大山町の『田宮造園』へ樹木見学後、同じく大山町にある人気のパン屋、『よしぱん』でランチミーティング。

旧市街地の中にある古民家をリノベーションしたこのお店。
“地産地消”にこだわったパンが口コミで広がり、分かりづらい場所ながら遠方からもわざわざ買いに来られるそう。
地元の食材を中心にバランスの良いランチを提供されていて、直前予約もなかなか取れないほどだそうです。

メニューは週替わりランチ、パスタランチ、サラダランチの3種類から選べ、私は週替わりランチ(¥1,200-)をチョイス。
サンドウィッチとポテト、サラダ、じゃがいもスープにドリンクが付くという構成でした。

量もほどほどで良いかな、という思いとは裏腹に、結構な大きさの皿にはみ出しそうなほど盛られたサンドウィッチのボリュームがテーブルに置かれて、「ミーティング出来るのか…?」と内心焦る。(厚さ8センチくらい…)

具材はレタス、トマト、目玉焼き、ベーコン、鶏もも肉のコンフィが重なり、彩色鮮やか。
肉類の旨味もさることながら、地元の新鮮な野菜の味が濃く、それらを受け止めるパンの風味が負けずにバランス良く調和していました。
サラダ、ポテトも素材の風味が後味として強く追いかけてくる印象ですね。

近ければヘビーユーザーになりそうな店ですが、次回訪問できる日を期待したいと思います。

Facebookにランチ情報が出ていますので、チェックしてみては如何でしょうか。




2017/04/10(Mon) 土蔵塗りワークショップ萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



一昨日は大山町の工務店『創伸』さんが主催されている、土蔵塗りワークショップに参加してまいりました。

大山町赤松にある築200年の古民家を再生してあらたに住み継ぐというこのプロジェクト。
土間の上を水平に走る大梁は通常1間スパンごとに掛かるのですが、半間ごとに入れられた豪壮な大梁が多雪地帯に対する地域性を感じさせられます。

昭和初期の集落火災で延焼した際に小屋構造を茅葺きから瓦屋根に替えられた経緯があったそうですが、それ以外の構造躯体は良い保存状態なので基礎をやり替えることで床下の湿気対策と併せて柱・梁の歪みも直し、現状復旧した計画。

現地再生で基礎構造をやり替える場合、構造体をそのまま垂直にジャッキアップしてその下で施工するので、重量のある土壁と瓦は落とすのが一般的な工法。

昔の土壁は『竹小舞』といって竹を網目状に組んだ下地を施し、土の付着と構造上“粘り”に優れた工法でしたが、現代は竹を組む職人不足やコストや工期の観点より激減して、古民家再生も他の下地工法がほとんどとなっています。
土壁にいたっても赤土に充分な藁を入れて半年くらい発酵させたものを使うので、ある程度のスペースと工期、職人の経験値が必要となることも再生へのハードルが高くなるのでしょう。

このたびの再生は家主たっての希望ということもあり、伝統的な竹小舞下地+土壁で再生。
創伸さんのお付き合いのある左官職人さんが竹小舞や土壁を造れること、家主が所有されている土地から竹と良質な赤土が採れることも良い条件で作用したそうです。

我々素人の作業としては組んでいただいた竹小舞の上から竹の間に刷り込むようにコテを下から上に慣らしていくもの。
塗った土は粘土より柔らかく、発酵した藁が粘りを生んで思いのほか作業性が良い印象ですが、土や水、藁の配合など経験値に因るところが大きいのでしょうね。

ほんの数時間しか居られなかったのですが、とても貴重な経験をさせていただきました。




2017/04/03(Mon) 古民家再生見学萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



昨日は大山町の工務店『創伸』主催の、米子市兼久で催されている、古民家再生の見学会へ赴いてまいりました。

出雲街道と法勝寺川の交点に位置するこの地域では、かつての宿場町の名残でしょうか、入り組んだ街路と立派な屋敷がいくつか点在しているように見受けられます。

見学した古民家は約70年前のものだそうで、戦後物資が不足している頃と推察できますが、反り曲がりのない豪壮な地松の差し鴨居が惜しみなく使われていることを勘案しても、代々普請に対する家系のこだわりが感じられます。

設えとしては既存の古民家と新設部を組み合わせたもの。
古民家にあたる既存座敷を残して、家族が集える生活空間(居間・食堂)と水廻り(台所・風呂・WC)、玄関を増築して現代の生活に対応したプランニングとしています。

創伸さん曰く、古民家再生で難しい仕事のひとつは、基礎廻りの再生工事。
自然石にそのまま柱を載せた古民家伝統の基礎工法(石端建てと云います)は、地盤の地震力を柔軟に受け流す秀逸な“免振構造”である反面、部分的な不動沈下を起こしやすく、柱の傾きや建具の建付けに影響が出てくることや、コスト、法規上の観点でも現代ではほぼ採用されていない工法となっています。

こちらでもコンクリートべた基礎を採用されていて、既存構造をジャッキアップしながらその下で元々の基礎構造を撤去し、新たに基礎を造り上げる作業は聞くだけでも緊張感が伝わりました。

再生された古民家は柱・梁材の黒ずんだ光沢と新たに施した漆喰壁・建具とのコントラストが美しく、陰影ある凛とした迫力は古民家ならではのものですね。

山陰でも高齢や後継者不足による空き家が増えて古民家が朽ちていく中、手を掛け続ければ何世代も使い続けられる価値をあらためて評価して現代の暮らしに合わせた再生のシステムが構築できると良いのですが…。


株式会社 創伸:http://soushin-k.jp/index.html




11件〜20件(全717件)
/→  | 2 | | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10
<RSS>

Powered by WebSpace