301757
萬井 博行 よろい環境計画事務所

[ HOME日記TOP記事検索携帯用URL管理用 ]
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   

2015/12/28(Mon) そば処 喜多縁萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



一昨日は出雲にて新規プロジェクトのヒアリングに行ってまいりました。

なにかと食べ物ネタが多い私のブログ。
クライアントも食べ歩きがお好きなようで、設計と無関係な食話のコアな会話で盛り上がってしまう…。
昼食はクライアントに蕎麦を御馳走になりました。

立ち寄ったのは出雲市役所のほど近くの蕎麦屋、『そば処・喜多縁』。
市役所に勤められていたご主人の蕎麦好きが嵩じて、今年の7月に新規開店されたそうです。

元々天ぷら専門店だったという店内は、座敷が多くてゆったりとしたしつらえ。

メニューは割り子やせいろ、釜揚げなど、わりとスタンダードで、蕎麦もさることながら鴨や山芋などの素材にもこだわっていそうです。

私が頼んだのは『生湯葉そば(¥900)』。
冷たい蕎麦の上に大きな生湯葉と本わさび、薬味をのせた、彩り良い構成。
地元『出西窯』の鮮やかな青釉薬が白い湯葉とのコントラストを際立たせています。

蕎麦は出雲そばの本場らしく、挽ぐるみの歯ごたえと風味が強い蕎麦で、歯ごたえが強い食感の後に甘みと香り、ほのかな苦味が追いかけてきます。

クリーミーな生湯葉と蕎麦の相性は素晴らしく、薬味のわさびと少し甘めのつゆとのバランスが上品に整っているイメージでした。

研究熱心なご主人は元々の天ぷら専門店の方に天ぷらも習っておられるそう。
鴨も推しているようで、出雲に行く頻度が高くなればまた再訪して食したいものです。


そば処 喜多縁:http://www.sobadocoro-kitaen.com/bin/index.cgi




2015/12/25(Fri) 『溝口の家』 来待瓦萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



いずれは使ってみたいと思いつつ、なかなか機会に恵まれなかった来待釉薬の石州瓦。
出雲街道に面した、昔ながらの赤瓦が多い溝口の町並みに溶け込むのでは、と思い、『溝口の家』で採用いたしました。

淡い茶褐色で、独特のにぶい光沢を放つこの釉薬。
1300℃という石州瓦の高い焼成温度(他の瓦は1000〜1200℃くらい)に耐えられ、かつ高温焼成することで独自の赤みを帯びる来待石を原材料とすることで、他の産地では作りえない味わい深い色味となっています。

現在の焼成は温度コントロールが行き届いているので瓦自体の色ムラはほぼないのですが、昔は登り窯で焼かれていたらしく、温度差で色の薄い瓦と濃い瓦が混ざり合って、味わいある来待瓦群として世界遺産でもある石見銀山大森や温泉津町の町並みを形成してきたそうです。

瓦屋さんによると来年あたりからISO(国際標準化機構)の基準によって鉛の含有量を減らすため、深い色味が少し損なわれるそう…。

「瓦を舐めるわけでもあるまいし…。」と感じつつ、伝統材料も規格・均一化のもと“味わい深い”というエモーショナルな要素は廃れていくのでしょうか…。




2015/12/21(Mon) 『崎津の家』 棟上式萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



昨日は『崎津の家』の棟上式。
年内に屋根仕舞を完了させたいという目標の元、なんとかこの日を迎えることが出来ました。

昔ながらの集落と、入り組んだ街区が残っているこの地域。
隣地に住宅はなく、2方道路のゆったりとした100坪の敷地なので、いろいろな選択肢を探ることが出来ました。

施主の『平屋建てのシンプルな形状』 という要望に対して、シンメトリー(左右対称)の大屋根の中に、抑揚と変化のある内部空間を提案。
必然的に大きくなる妻側の壁面を守るために、横垂木を用いてケラバの出を大きく張り出し、母屋のない軽快でスッキリした破風ラインを表しています。

基準となる胴差ライン(水平梁)を1階のフロアレベルからH=2,100と、かなり低く設定し、ホール、居間、和室を区画する間仕切り建具は、表した水平梁の下に建具溝を掘って(差鴨居)、それぞれが連続する空間になるようなプランニング。
上階のロフト(書斎)とプランセンター付近の吹抜けとなっている居間とも繋がりを持たせて、平面・断面的に視界が伸びることで、空間に広がりが感じられるよう意図しています。

夕方からはご近所さん集まっての餅まき式。
「浜っ子は気性が激しいからな…」と、ケガ人が出ないか若干の不安を感じつつ、むしろ大人して譲り合うくらいの行儀の良さに、己の先入観を恥じ入る次第でした…。




2015/12/11(Fri) 『旗ヶ崎の家2』 計画案萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



「旗ヶ崎は広いから“丁目”まで入れるのが良いかどうか…。」と、大きな問題でもないのに悩んでしまった『旗ヶ崎の家2』計画案のタイトル。(結局入れない…)

“和でありながら、和になり過ぎない”というご要望(捉えようが広くて意外と難しい…)を、シンプルにまとめることが出来ました。

80坪の敷地は2方が住宅、2方が駐車場と畑に面する、閉鎖部と開放部が明確なゾーニングしやすい土地。

住宅が接する隣地側は、深く軒を張り出して、その中にアプローチや倉庫、自転車置場など、お互いの生活に干渉しない用途を配しています。

プライバシーが守られる駐車場と畑側には主にパブリックスペース(台所・食堂・居間)を配置。
デッキテラスを上下階、同じスパンに設けることで、断熱・構造ラインを揃えると同時に、熱量の多い南側の直射光を防いで熱負荷の低減を保ち、穏やかに自然光を室内に招き入れて内部と外部空間が緩やかに繋がるよう意図しています。

外観のフォルムは2階プランの違いで2案提示。
アプローチ側の軒を低く抑えて、1枚の大屋根の中に各機能を集約しています。

2案うちひとつは2階上部にロフトを設けて、1階から屋根形状なりに天井を繋げた“片流れ屋根案”。
もうひとつはロフトを設けず2階プランのセンターに棟を設けた“切妻屋根案”。
どちらも瓦仕上げですが、片流れ案は3.5寸、切妻屋根は4寸として適度なプロポーションと、ほど良い内部スケールを探っています。

打ち合わせではクライアントの趣向で切妻屋根案になりそう。
堅実ながら居心地良さそうな住まいが出来そうです。




2015/12/05(Sat) 『新開の家』 竣工写真萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



先日、写真家『古川誠』さんに撮影いただいた『新開の家』のデータが届きました。

私にとって理想的な竣工写真は、質感や光の量、奥行きやスケール感が、視界で捉える“ありのまま”の感覚に近づけるかどうか。
その感覚こそ難しいと思うのですが、古川さんにはいつもながらに素晴らしく表現いただいています。

方形屋根の形状なりに天井板を放射線状に張った大空間の中には、玄関、ホール、台所・食堂・居間が、水平梁の上部で連続性を保っています。

こういう空間ではペンダントライトやブラケット(壁掛け)ライトを使い、光源を低めに設定することで空間に立体感と落ち着きを与えています。
人が留まるところの直下に必要な照度(ペンダントライト)と、留まっている目線の先にブラケットライト、照度バランスを整えるために家具上下と梁上にLEDライトを仕込んでいます。

アプローチから玄関、ホール、居間へと続く床は、松江市宍道町で採掘される、『来待石』。
同じ凝灰質砂岩の福光石も柔らかい風合いですが、福光石は少し青みがかっていて、来待石はグレーから若干黄がかっています。
年月が経つと少しずつ風化して、黄色が強くなってより柔らかい風合いになるのが特徴です。

無垢の洋桜で造ったテレビ収納台と薪ストーブ(ドブレビンテージ)、施主がチョイスしたソファもこの重厚な素材に良く馴染んでいますね。

ホームページ掲載は来年のリニューアル後になりますでしょうか…。




2015/11/26(Thu) しまね建築・住宅コンクール萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



島根県内で建てられた優良な住宅に対して表彰される、『しまね建築・住宅コンクール』。
昨年竣工した『横浜町の家』を初エントリー致しました。

今年で第9回目を迎えるこのコンクール、例年100件以上の応募があるらしく、1次審査と2次審査を経て最終評価されるもの。
1次の書類審査(設計趣旨と写真)は通過しまして、昨日は2次の現地審査をしていただきました。

松江市内でも古い町並みが残るこの地域、竣工した当初の“新築感”が1年経過して段々と町並みに馴染んできたような気がします。

軒先と重心を低く保ち、歩いてアプローチする目線に対して屋根の軒先が目上でなく水平に納まるように高さを設定。
屋根を緩勾配として軒下にアプローチや坪庭を配することで、狭い敷地の中でのアプローチ空間に変化と、外観に奥行きと軽快感をもたらしています。

1階は室内と庭が連続的に繋がるように、なるべくワンフロアで広がりを持たせ、梁材をそのまま表した無垢の木材の優しさと力の流れを視覚的に示した緊張感のある空間。
天井を造らないことでボリュームを確保しつつ、桁ラインを低く抑えて均整の取れたプロポーションになるよう意図しています。

とりわけ革新的な発想ではなく、コンセプトが前面に押し出されたわけでもなく、ある意味コンクール向けではないかもしれませんが、まじめな材料と職人の技術を活かしたこの住宅が評価されると嬉しいものです。




2015/11/20(Fri) 『溝口の家』 棟上げ萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



昨日は薄曇りの中、『溝口の家』の棟上げを行ってまいりました。

敷地を最大限使ったプランではクレーンや資材の配置が困難なものですが、隣地の空き地をお借りでき、良い条件の中での作業をさせていただいてので目標の垂木掛けまで完了いたしました。

この住宅のゾーニングは【駐車場・アプローチスペース】【1階パブリック(共用)スペース】【2階プライベートスペース】と大きく3つに分けて、それぞれのスペースに対応した切妻屋根を前面妻側にして組み合わせたもの。

道路に近い駐車場のボリュームは、屋根を延ばしたその下に門とアプローチ空間を納めて、同じ軒先ラインで和室の縁側へと繋げた、重心を抑えた奥行感のある表現。
1階パブリックスペースに掛けた大屋根とのボリュームバランスと連続性は、いくつかのシミュレーションを試みて導いたところです。
前面の引いた場所からの屋根の重なり具合も程よく、良いプロポーションかな、と思っております。(病院駐車場敷地からの撮影ですが…)

夕刻にはご近所さんも集まっていただいての餅まき式。
正式には“散餅の儀”という神事で、【天の餅と地の餅】【四隅餅】【投げ餅】と3種類の大きさが違う餅を投げて、厄払いと祝いを兼ねる意味があるそうです。

うちの家族も参戦しましたが、子供たちは周りの大人の闘志に圧倒されて及び腰…。
家内も気合を見せて大きな四隅餅を空中キャッチしたそうですが、握りが甘くて横から奪われた模様…。
うちの家族、いつもながら餅まきの成果が芳しくありません…。




2015/11/16(Mon) カフェ 『汐風通り』萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



先日は琴浦町赤碕での打ち合わせ帰り、かつての港町の名残を残した情緒ある町並みが残されている旧道に面した塩谷定好写真記念館内のカフェ、『汐風通り』でランチをいただきました。

元々は写真家『塩谷定好』さんの生家だったこの建物、現在はその塩谷さんの作品を展示したギャラリーとして生まれ変わり、廻船問屋だったという立派な佇まいは国の登録有形文化財に登録されています。

カフェは記念館の奥で営んでおられ、蔵に囲まれた中庭に面したしっとりとした日差しが差し込む空間。
元々米蔵だった建物でも食事がいただけるようで、重厚な漆喰壁とむき出した梁の迫力が見渡せる贅沢なしつらえでした。

ランチは定期的に内容が変わる『日替わりランチ(¥800-)』のみで、地元で採れた野菜を中心とした彩色豊かな構成。
このたびは柿のサラダとカブの漬物、サツマイモの煮物、クリームシチュー、大根の葉のご飯という組み合わせでした。

調味料を極力使わず、新鮮な野菜の持つ甘み・苦味を引き出すくらいの浅めの味付けで、口に入れたときはあっさりと、じっくり咀嚼することで濃い風味の後味が追いかけてくるという印象。
色の構成もさることながら、味の濃淡のバランスがセンス抜群でした。

安来の老舗、『サルビア珈琲』の豆を使用しているコーヒーは、浅炒りでほのかな酸味がありながらあっさりした口当たり。
浅炒り珈琲は質の良い豆の確保と湯の温度コントロール、淹れるタイミングが難しくて雑味を感じる店が多いのですが(それで苦手な人が多い…)、ここはすべてが高水準で、久しぶりに技術の高さを感じました。

喫茶は毎日されていて、ランチは週末のみ(金〜日)だそう。

近隣にある世界的彫刻家『流政之』さんの彫刻作品や、竜の彫刻で有名な神崎神社なども歩いて廻れる距離にありますので、観光がてら立ち寄ってみられると良いでしょうね。




2015/11/13(Fri) 『溝口の家』 土台石萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



大正時代に建てられた築100年近くの住まいを新たに建て替える『溝口の家』。
当時の基礎は鉄筋コンクリートではなく、近郊で採取された切石の上に直接土台を添え付けて建てられたものでした。

元々日野川流域だったといわれる敷地の土台石は、日野川源流の川石か大山の山石ではないかと推測。
表面は『ビシャン仕上げ』と云って、切り出した石を金槌で叩いて平滑に仕上げる、という手間暇のかかる、現在ではなかなか手に入らない材料です。

施主の想いが詰まった家を取り壊すのは忍びないものですが、この土台石を再利用することで旧家の痕跡が少しでも残れば、と思い設置場所を思案いたしました。

旧家があるときの土台石の見えしろは立ち上がり15cmほど、大きさは土台が載るくらいなので20×20cm程度の断面かと想像していましたが、実際に解体して取り出すと断面40×40cm、長さ約1.2m〜1.5mくらいの巨大石…。
1本あたりでも相当な重量が予想され、手運搬かつ現場加工出来ないことを鑑みると、あきらめざるを得ないか、と頭をよぎりました。(「施主に使うって言ったけど…」と内心焦る…)

たまたま造園家の方に相談したとところ「うちで施工できるのでぜひやりましょう。」と快諾いただく。
前庭から続くアプローチ、ポーチと玄関で使うことになりました。

敷石工事は一般的に大工工事が終わった後にするものですが、ポーチが軒下空間になっていて、クレーンで石を運ぶ際に構造躯体と干渉する恐れがあるので、【基礎工事 → 敷石工事 → 棟上げ】という工程を組みました。

玄関は用途上精度を高くしたいので、細めの目地で比較的直線の出た平滑な石材を選択。
アプローチ・ポーチは逆に粗めの精度で力強い面を魅せて、不揃いで大きくなる目地に洗い出しの砕石を入れて全体を整えています。
目地材も石の色調を際立たせるためグレーのモルタルではなく、土の含有量を多くした黄土色の柔らかい風合いにしていただきました。

土台下で陽の目を見なかった石が100年ぶりに表舞台へ表れてきた、という感覚でしょうか…。




2015/11/10(Tue) 『新開の家』 化粧台萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



先般引き渡した米子、『新開の家』では特注で焼いていただいた『中井窯』の手洗い鉢が出来ましたので、それを置く化粧台と合わせてみました。

プランの中心部を貫くホールの一画に位置する奥さま専用のドレッサースペースは、化粧以外にもネイルや読書、ハンモックを楽しめる“くつろぎゾーン”。

それだけに化粧台も既成品の組み合わせではなく、柱や梁、床の来待石に対峙出来うる素材感を持った造付家具を設計いたしました。

化粧小物の収納とカウンター部の荷重を支えるためのサイド収納、本やディスプレイに使う壁面収納、鏡縁は無垢の洋桜を使用。
耐水性が必要なカウンターと立ち上がり部は、ヴェネチアンガラス製のモザイクタイルを張っています。(中井窯との相性も上々。)

カウンターの高さは椅子が入り、かつ手洗い鉢が使いやすいH750で設定。(椅子によってはちょっと高め…)
上部のディスプレイ棚の出しろで鏡が影にならないよう、フロントにブラケットライトを設置しています。
全体の幅と高さは柱と水平梁のラインに揃えることで、しっくり空間に納まるようなスケールで纏めました。

こういう“遊び心”のある家具設計は楽しいものですね。




51件〜60件(全704件)
/→  1 | 2 | 3 | 4 | | 6 | | 8 | 9 | 10
<RSS>

Powered by WebSpace