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萬井 博行 よろい環境計画事務所

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2016/03/31(Thu) 『崎津の家』 差し鴨居萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



工事もほぼ最終段階に迫ってきた米子、『崎津の家』。

北側は保育園、南側は空き地、という開かれた敷地に対して、スケールを抑えた30坪弱のシンメトリーな形態。

コンパクトなフレームの中にワンフロアとなる可動間仕切りと、南北に開放された開口部を設えることで視界の広がりをもたらしています。

このたび最大の試みは、4枚の可動間仕切りが納まる鴨居を『差し鴨居(梁に建具溝を掘って鴨居とすること)』とし、その内法高さを1.8mという、うちの事務所としては過去に類を見ない“極小スケール”にしたこと。
その上部を屋根勾配なりの吹抜け空間にして、階高2.1mに抑えたロフトと一体的な空間として繋がりを持たせています。

それだけにコンパクトな外観からは窺い知れない、広がりのある“抜けた”内部空間を造り出すことが出来ました。

4枚の框戸が入る梁材と建具の納まりには検討を要したところ。
通常框戸の建具見込み(厚み)は1枚40mmなので、4枚になると建具同士のクリアランスを加味しても合計170mm程度必要になり、梁巾を揃えるとなるとコストもさることながら乾燥精度が儘ならず、鴨居として機能しなくなります。

設計時に部材精度と樹種を建具屋さんと協議して、4枚合計を150mmに圧縮。
差し鴨居の巾も150mmを使うことで、精度が保てるギリギリの納まりを実現させました。

引き渡しとしては最適な時季。
冬の乾燥による収縮と梅雨の湿気による膨張で建具調整が必要になることを予想しつつ、お互いの木材が馴染んで味わい深くなるのは楽しみなものです。




2016/03/22(Tue) くじら軒 ドライカレー萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



先日『小山町の家』の打ち合わせ前にランチで立ち寄ったのは、松江市宍道町にある『くじら軒』。
JR宍道駅のほど近く、20席ほどのこじんまりとしたカフェですが、料理もさることながら店内のしつらえもオーナーのこだわりが詰まっています。

置いてある家具や照明器具、器をすべて北欧デザインで統一。
カウンターの椅子は色違いのセブンチェア(作家:アルネ・ヤコブセン)やパントンチェア(作家:ヴェルナー・パントン)、テーブル席はYチェア(作家:ハンス・J・ウェグナー)、その上のペンダントライトはPH5(作家:ポール・ヘニングセン)、という贅沢なラインナップ。
器はイッタラというフィンランドのガラスメーカーを使っています。

オーダーしたのはこの店ご自慢の『ドライカレー(¥800-)』。
かなり水分を飛ばした食感の強いカレーに温泉卵がのっているもの。
トマトの酸味が強く、濃厚なミートソースのような風味のあとにカレーのスパイスが追いかけてきます。
大豆をすりつぶしているのでしょうか、味噌のような独特の甘みがお肉の脂を抑えて食べやすくなっている印象ですね。
ドライカレーだけだと濃厚すぎるところ、温泉卵をまぜることでマイルドな味に変わることもうまく計算されています。

珈琲豆も松江の『松浦珈琲』を使われるこだわり。
淹れ方、温度コントロールも素晴らしく、雑味なくスッと喉を通ります。

コクのあるドライカレーを食べた後に酸味の効いたブレンドをいただくと至福を感じるところですが、うちの事務所からランチにフラッと行ける距離にないのは辛いところ…。(すでに体が欲している…)




2016/03/11(Fri) ふの食堂 カツライス萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



昨日松江での授賞式前にランチで立ち寄ったのは南田町にある、『ふの食堂』。
“食堂”の定番らしく、ラーメンや焼き飯、カツ丼を揃えつつ、ハンバーグやオムライスなどの本格的な洋食も楽しめる、松江で50年愛されてきた老舗です。

20年ほど前に松江の設計事務所で勤めていた時にちょくちょくお邪魔していた、私にとっても数少ない“ソウルフード店”のひとつ。

昨日はこの店の人気メニュー『カツライス(¥850-)』をオーダー。
グラタン皿のような器の中にカツライスとサラダ、スパゲティを納めたボリュームある一品。
かなり厚切りのロースカツに、この店自慢のドミグラスソースがかけられています。(カツ大きくてご飯が見えない…)

同じカツライスでも片原町にある『西洋軒』のカツは薄めで、コクと酸味の効いたドミグラスソースを押し出している上品な印象。
それに対してふの食堂はロース肉の旨みを重視した“肉料理”という印象で、玉ねぎの甘みを活かしたさっぱりとしたドミグラスソースが特徴です。

カツの揚げ方もさすがに熟練されていて、下はサクッと、上はソースの旨みがしみ込んだ絶妙な食感を生み出しています。

2年ぶりくらいに訪れたにもかかわらず、ご主人に顔を憶えていただいていたのは嬉しい限り。
20年前と変わらない鋭い眼光を保たれているバイタリティにも頭が下がる思いです。




2016/03/10(Thu) しまね建築・住宅コンクール 授賞式萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



以前ブログでも紹介しました『しまね建築・住宅コンクール』。
2次審査を経て、おかげさまで『奨励賞』をいただくことになり、本日授賞式に行ってまいりました。

島根県全区域を対象としたこのコンクールは【建築物部門】と【活動部門】に分かれていて、島根県内の良質な住環境整備の推進につながることを目的としたもの。
建築物部門でも新築からリノベーションまでスタイルが多様で、審査委員長も評価軸が幅広くてかなり悩まれたそうです。

島根県知事による直接の表彰はコンクールの重要度と、それぞれ魅力的な趣旨を持ちながらそれに対する技術的な解決が個性的で、レベルの高さが窺い知れました。

受賞いただいた松江市『横浜町の家』は、江戸時代の区割りや明治時代の町並みを残している伝統的な地域。
住宅密集地区にありながら、重心の抑えたプロポーションが町並みにゆとりと落ち着きを与えることや、限られた敷地の中に設えた“庭”の効果と、表わされた力強い構造体の意匠が高く評価をいただいたようです。

いずれにしてもこの賞は施主の理解と職人の技術なくしては取れないもので、その喜びをを分かち合うことが出来たのは嬉しい限りですね。

島根県庁には今年のコンクール冊子が置いてあると思いますので(おそらく無料)、赴かれることがありましたら手に取ってみてくださいませ。




2016/02/29(Mon) 境港 cafeマルマス萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



昨日は境港方面へ所要があって、以前から訪れてみたかった『cafeマルマス』に立ち寄る。

古い醤油蔵を改築したこのカフェ。
事前リサーチなしではまず辿り着かないだろな、と思われるほど、住宅街の中にひっそりと佇んでいます。(看板も小っちゃいし…)

元々あったであろう漆喰の重い扉は、セルリアンブルーの木製建具に変えられ、重厚な蔵のしつらえにワンポイントのライトな配色とそのガラスから漏れる白熱照明のオレンジが“差し色”になって、余計なサインをつけなくてもアプローチ出来る、という意図を感じます。

客席は1階と2階に分かれていて、1階は土間空間、2階は松の梁をそのまま表した天井の低い落ち着いた空間。
なるべく古いものを残しつつ、必要なものは古材と同調するような慎ましい改修は、自然なようでかなり計算されています。
あえて揃えないテーブルや椅子、ソファの選択や配置もセンス抜群ですね。

オーダーしたのは珈琲とチーズケーキ。
珈琲は若干酸味があると記載ある中炒りの『ケニア』でしたが、酸味はかなり抑えられて、雑味のないかなり濃い印象。(豆を惜しみなく使っている…)
チーズケーキは手作りっぽく甘みと酸味を抑えて、ほんのりとした上品なチーズの香りが後味として残る優しい味。
パンチのある珈琲とこのケーキはぜひセットで頼まれるのをお勧めします。

今度機会があればこの店ご自慢のカレーをいただきたいものです。




2016/02/22(Mon) おうちごはんcafe まめはな萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



一昨日は出雲、『小山町の家』の打ち合わせ。
グルメ情報を交わしあうクライアントとは打ち合わせを兼ねてランチに伺う。

訪れたのは今市町にあるカフェ、『おうちごはんcafeまめはな』。
出雲市役所にほど近い幹線道路沿いにあるお店なのですが、あえて目立たなくしているかの如く、こじんまり営んでおられます。(地元の人でも知っているのかどうか…)

店内は20席ほどの木の設えで、『森田さやか』さんのBGMが流れているほっこりとした空間です。

ランチメニューは地元の野菜や玄米を使った自然食を前面に押し出した日替わり定食のみ。
新鮮な野菜の甘み・苦味を感じつつ、マクロビオティック食ほど堅苦しくない、程よい風味と味付けは男性でも好まれるところでしょう。
店名のとおり、おうちで食べられるような素朴な料理ですが、玄米の炊き方やお汁の出汁の取り方、煮物の絶妙な味付けと食感は、真似が出来ないクオリティ。

セットで注文できる手作りのガトーショコラやジャムの控えめな甘さと濃厚な素材のバランスもセンスが感じられます。

塩分が抑えられた優しい味付けとは対象に、クールかつスマイルゼロ店主の“塩対応”が料理とのコントラストを際立たせているのだろうか、と余計なことを考えながら店を後にしました…。


おうちごはんcafe まめはなfacebook:https://ja-jp.facebook.com/cafemamehana/




2016/02/18(Thu) 米子市都市景観施設賞萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



今年で第6回を迎える、『米子市都市景観施設賞』。
デザインなどが優れ、良好な都市景観の形成に貢献している施設に贈られる賞だそうです。
10年前に設計した『両三柳歯科クリニック』が受賞いたしまして、本日授賞式に赴いてまいりました。

実は私自身応募した覚えはなかったのですが、先月都市計画課より電話がありまして、「みごと受賞しましたので授賞式に出席ください。」とのこと…。
よく状況が飲み込めないまま米子市長から表彰をいただく…。
後で聞くと米子高専の生徒が応募してくれたそうです。(どうもありがとう)

敷地は両三柳から内浜産業道路を繋ぐ幹線道路ながら、近隣は住宅地に囲まれた閑静なエリア。
車の通りもさることながら自転車や歩行者も多く、移動スピードやアイレベルからの視界の広がりもデザインを考える上で重要な要素でした。

隣接した住宅地に対してはボリュームを低く抑えて町並みの高さを揃えつつ、遠くから認識できる見通しの良い敷地には、街の“ランドマーク”になるようなフワッとした屋根ラインをイメージ。

歯科という用途上、外部に対してはクローズして境界を木塀で囲み、その内側を植栽エリアとすることで、内部からも町並みに対しても目を楽しませるような“緩衝帯”を設けています。
軒を深く出して軽快さを出した屋根は直射日光を防いで、上部のハイサイドから柔らかく自然光を招き入れています。

クライアントも定期的に植栽や塀の塗装などのメンテナンスをしていただいているそうで、この町並みの良さに貢献いただいているのは嬉しい限りですね。

歯の予防や治療がある方は、診療がてらぜひ内部空間も見てくださいませ。




2016/02/09(Tue) 『小山町の家』計画案萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



先日打ち合わせしました出雲、『小山町の家』計画案。
昨年から土地選定の相談を受けていまして、いくつかの候補地をクライアントと一緒に巡って決定した敷地です。

出雲バイパスが出来たことによって急速に広がった開発地と昔からの住宅地が混在している小山町ですが、敷地から垣間見える北山の景観と田園風景が点在するのどかな風景が特徴的です。

この大らかな周辺の景観と同調するように、ある程度引きと見通しが確保できる敷地に対して、屋根ラインが際立つ伸びやかな大屋根をイメージ。
約80坪の敷地に対して1階の面積比重を高めに、2階の面積を抑えることで、平屋建てのような軽快感を持たせるべく計画いたしました。

アプローチ側になる南側の軒下外部空間には駐車場とデッキテラスを配置。
外に対してある程度開放性を持たせつつ、これらの軒下外部空間を設けることで、内部空間のプライバシーを緩和し、アプローチ側から“浮遊感”のある大屋根のフォルムを造り出しています。

このたびはプランが多少違う2案を検討。

最初に提案したのはアプローチ側の軒を抑え、2階まで4寸勾配の大屋根で延ばした力強いフォルム。(上の写真)
次は3.5寸の勾配、シンメトリー(左右対称)で構成して、2階屋根を越屋根のように見せ、屋根の重なりを表したもの。(下の写真)

最終的には平屋建てに近く、ダイナミックな初期案(上の写真)に決定いたしました。

設計の進捗もさることながら、今後頻度が多くなる出雲行きに、美味しいお店のリサーチを進めつつあります…。




2016/01/26(Tue) 蕎麦 羽根屋萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



先日は新計画案、『小山町の家』の打ち合わせで出雲方面へ。
午後から始まる打ち合わせの前に出雲そばの名店、『羽根屋(本店)』で昼食をとりました。

江戸時代末期に創業して、大正時代から『献上蕎麦』として天皇に供されている全国的にも有名なこのお店、週末には多くの観光客で賑わっています。

先日食したのは、割子3枚と炊き込みごはん、しじみ汁、漬物を組み合わせた『割子3段定食(¥1,000-)』。

蕎麦はさすがに江戸時代から続いているだけあって、“完成された味”という印象。
蕎麦殻を挽き込んだ独特の黒くて歯ごたえのある出雲そばの特徴をそのままに、殻のザラッとした舌触りを極力取り除いた、上品なのど越しと豊かな風味を造り出しています。

ほかの店と比べると細切りの麺でつけ汁は少し甘めなので、多くかけ過ぎないよう量を調整したほうが良いでしょうね。

炊き込みごはんも蕎麦の繊細な風味を邪魔しないほどの薄い味付けながら、ほんのりとした生姜(たぶん出西生姜)の香りが存在感を造り出していました。

計画が進んで出雲に赴く頻度が多くなるにつれ、“出雲蕎麦めぐり”の記録も増えてきそうな予感がします。


羽根屋HP:http://kenjosoba-haneya.com/




2016/01/15(Fri) 春の山陰民窯展萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



うちの小学生の娘が食器洗いの手伝いをするようになったのは微笑ましいことですが、作業が雑で私の陶器コレクションを壊しまくり、減少の一途をたどっているここ最近です…。

昨日はかねてより待ちわびた、米子天満屋で開催されている、『春の山陰民窯展』に行ってまいりました。
今年で30回目を迎えるこの展示会は、何度訪れても多彩な陶器の陳列に目を奪われてしまいます。

昨日購入したのは松江市玉湯町にある『湯町窯』のコーヒーカップ。
バーナード・リーチより手ほどきを受けた英国式の“スリップウェア”という技法と、蜂蜜色した“黄釉”が湯町窯のトレードマークで、全国的にも有名な民藝運動を代表する窯元のひとつ。

少し小ぶりで丸みのある可愛らしいフォルムは、なんとなく冬の寒さを和らげてくれるようですね。

暖かくなったらゆっくり窯元巡りでもしたいものです。




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