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萬井 博行 よろい環境計画事務所

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2015/12/05(Sat) 『新開の家』 竣工写真萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



先日、写真家『古川誠』さんに撮影いただいた『新開の家』のデータが届きました。

私にとって理想的な竣工写真は、質感や光の量、奥行きやスケール感が、視界で捉える“ありのまま”の感覚に近づけるかどうか。
その感覚こそ難しいと思うのですが、古川さんにはいつもながらに素晴らしく表現いただいています。

方形屋根の形状なりに天井板を放射線状に張った大空間の中には、玄関、ホール、台所・食堂・居間が、水平梁の上部で連続性を保っています。

こういう空間ではペンダントライトやブラケット(壁掛け)ライトを使い、光源を低めに設定することで空間に立体感と落ち着きを与えています。
人が留まるところの直下に必要な照度(ペンダントライト)と、留まっている目線の先にブラケットライト、照度バランスを整えるために家具上下と梁上にLEDライトを仕込んでいます。

アプローチから玄関、ホール、居間へと続く床は、松江市宍道町で採掘される、『来待石』。
同じ凝灰質砂岩の福光石も柔らかい風合いですが、福光石は少し青みがかっていて、来待石はグレーから若干黄がかっています。
年月が経つと少しずつ風化して、黄色が強くなってより柔らかい風合いになるのが特徴です。

無垢の洋桜で造ったテレビ収納台と薪ストーブ(ドブレビンテージ)、施主がチョイスしたソファもこの重厚な素材に良く馴染んでいますね。

ホームページ掲載は来年のリニューアル後になりますでしょうか…。




2015/11/26(Thu) しまね建築・住宅コンクール萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



島根県内で建てられた優良な住宅に対して表彰される、『しまね建築・住宅コンクール』。
昨年竣工した『横浜町の家』を初エントリー致しました。

今年で第9回目を迎えるこのコンクール、例年100件以上の応募があるらしく、1次審査と2次審査を経て最終評価されるもの。
1次の書類審査(設計趣旨と写真)は通過しまして、昨日は2次の現地審査をしていただきました。

松江市内でも古い町並みが残るこの地域、竣工した当初の“新築感”が1年経過して段々と町並みに馴染んできたような気がします。

軒先と重心を低く保ち、歩いてアプローチする目線に対して屋根の軒先が目上でなく水平に納まるように高さを設定。
屋根を緩勾配として軒下にアプローチや坪庭を配することで、狭い敷地の中でのアプローチ空間に変化と、外観に奥行きと軽快感をもたらしています。

1階は室内と庭が連続的に繋がるように、なるべくワンフロアで広がりを持たせ、梁材をそのまま表した無垢の木材の優しさと力の流れを視覚的に示した緊張感のある空間。
天井を造らないことでボリュームを確保しつつ、桁ラインを低く抑えて均整の取れたプロポーションになるよう意図しています。

とりわけ革新的な発想ではなく、コンセプトが前面に押し出されたわけでもなく、ある意味コンクール向けではないかもしれませんが、まじめな材料と職人の技術を活かしたこの住宅が評価されると嬉しいものです。




2015/11/20(Fri) 『溝口の家』 棟上げ萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



昨日は薄曇りの中、『溝口の家』の棟上げを行ってまいりました。

敷地を最大限使ったプランではクレーンや資材の配置が困難なものですが、隣地の空き地をお借りでき、良い条件の中での作業をさせていただいてので目標の垂木掛けまで完了いたしました。

この住宅のゾーニングは【駐車場・アプローチスペース】【1階パブリック(共用)スペース】【2階プライベートスペース】と大きく3つに分けて、それぞれのスペースに対応した切妻屋根を前面妻側にして組み合わせたもの。

道路に近い駐車場のボリュームは、屋根を延ばしたその下に門とアプローチ空間を納めて、同じ軒先ラインで和室の縁側へと繋げた、重心を抑えた奥行感のある表現。
1階パブリックスペースに掛けた大屋根とのボリュームバランスと連続性は、いくつかのシミュレーションを試みて導いたところです。
前面の引いた場所からの屋根の重なり具合も程よく、良いプロポーションかな、と思っております。(病院駐車場敷地からの撮影ですが…)

夕刻にはご近所さんも集まっていただいての餅まき式。
正式には“散餅の儀”という神事で、【天の餅と地の餅】【四隅餅】【投げ餅】と3種類の大きさが違う餅を投げて、厄払いと祝いを兼ねる意味があるそうです。

うちの家族も参戦しましたが、子供たちは周りの大人の闘志に圧倒されて及び腰…。
家内も気合を見せて大きな四隅餅を空中キャッチしたそうですが、握りが甘くて横から奪われた模様…。
うちの家族、いつもながら餅まきの成果が芳しくありません…。




2015/11/16(Mon) カフェ 『汐風通り』萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



先日は琴浦町赤碕での打ち合わせ帰り、かつての港町の名残を残した情緒ある町並みが残されている旧道に面した塩谷定好写真記念館内のカフェ、『汐風通り』でランチをいただきました。

元々は写真家『塩谷定好』さんの生家だったこの建物、現在はその塩谷さんの作品を展示したギャラリーとして生まれ変わり、廻船問屋だったという立派な佇まいは国の登録有形文化財に登録されています。

カフェは記念館の奥で営んでおられ、蔵に囲まれた中庭に面したしっとりとした日差しが差し込む空間。
元々米蔵だった建物でも食事がいただけるようで、重厚な漆喰壁とむき出した梁の迫力が見渡せる贅沢なしつらえでした。

ランチは定期的に内容が変わる『日替わりランチ(¥800-)』のみで、地元で採れた野菜を中心とした彩色豊かな構成。
このたびは柿のサラダとカブの漬物、サツマイモの煮物、クリームシチュー、大根の葉のご飯という組み合わせでした。

調味料を極力使わず、新鮮な野菜の持つ甘み・苦味を引き出すくらいの浅めの味付けで、口に入れたときはあっさりと、じっくり咀嚼することで濃い風味の後味が追いかけてくるという印象。
色の構成もさることながら、味の濃淡のバランスがセンス抜群でした。

安来の老舗、『サルビア珈琲』の豆を使用しているコーヒーは、浅炒りでほのかな酸味がありながらあっさりした口当たり。
浅炒り珈琲は質の良い豆の確保と湯の温度コントロール、淹れるタイミングが難しくて雑味を感じる店が多いのですが(それで苦手な人が多い…)、ここはすべてが高水準で、久しぶりに技術の高さを感じました。

喫茶は毎日されていて、ランチは週末のみ(金〜日)だそう。

近隣にある世界的彫刻家『流政之』さんの彫刻作品や、竜の彫刻で有名な神崎神社なども歩いて廻れる距離にありますので、観光がてら立ち寄ってみられると良いでしょうね。




2015/11/13(Fri) 『溝口の家』 土台石萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



大正時代に建てられた築100年近くの住まいを新たに建て替える『溝口の家』。
当時の基礎は鉄筋コンクリートではなく、近郊で採取された切石の上に直接土台を添え付けて建てられたものでした。

元々日野川流域だったといわれる敷地の土台石は、日野川源流の川石か大山の山石ではないかと推測。
表面は『ビシャン仕上げ』と云って、切り出した石を金槌で叩いて平滑に仕上げる、という手間暇のかかる、現在ではなかなか手に入らない材料です。

施主の想いが詰まった家を取り壊すのは忍びないものですが、この土台石を再利用することで旧家の痕跡が少しでも残れば、と思い設置場所を思案いたしました。

旧家があるときの土台石の見えしろは立ち上がり15cmほど、大きさは土台が載るくらいなので20×20cm程度の断面かと想像していましたが、実際に解体して取り出すと断面40×40cm、長さ約1.2m〜1.5mくらいの巨大石…。
1本あたりでも相当な重量が予想され、手運搬かつ現場加工出来ないことを鑑みると、あきらめざるを得ないか、と頭をよぎりました。(「施主に使うって言ったけど…」と内心焦る…)

たまたま造園家の方に相談したとところ「うちで施工できるのでぜひやりましょう。」と快諾いただく。
前庭から続くアプローチ、ポーチと玄関で使うことになりました。

敷石工事は一般的に大工工事が終わった後にするものですが、ポーチが軒下空間になっていて、クレーンで石を運ぶ際に構造躯体と干渉する恐れがあるので、【基礎工事 → 敷石工事 → 棟上げ】という工程を組みました。

玄関は用途上精度を高くしたいので、細めの目地で比較的直線の出た平滑な石材を選択。
アプローチ・ポーチは逆に粗めの精度で力強い面を魅せて、不揃いで大きくなる目地に洗い出しの砕石を入れて全体を整えています。
目地材も石の色調を際立たせるためグレーのモルタルではなく、土の含有量を多くした黄土色の柔らかい風合いにしていただきました。

土台下で陽の目を見なかった石が100年ぶりに表舞台へ表れてきた、という感覚でしょうか…。




2015/11/10(Tue) 『新開の家』 化粧台萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



先般引き渡した米子、『新開の家』では特注で焼いていただいた『中井窯』の手洗い鉢が出来ましたので、それを置く化粧台と合わせてみました。

プランの中心部を貫くホールの一画に位置する奥さま専用のドレッサースペースは、化粧以外にもネイルや読書、ハンモックを楽しめる“くつろぎゾーン”。

それだけに化粧台も既成品の組み合わせではなく、柱や梁、床の来待石に対峙出来うる素材感を持った造付家具を設計いたしました。

化粧小物の収納とカウンター部の荷重を支えるためのサイド収納、本やディスプレイに使う壁面収納、鏡縁は無垢の洋桜を使用。
耐水性が必要なカウンターと立ち上がり部は、ヴェネチアンガラス製のモザイクタイルを張っています。(中井窯との相性も上々。)

カウンターの高さは椅子が入り、かつ手洗い鉢が使いやすいH750で設定。(椅子によってはちょっと高め…)
上部のディスプレイ棚の出しろで鏡が影にならないよう、フロントにブラケットライトを設置しています。
全体の幅と高さは柱と水平梁のラインに揃えることで、しっくり空間に納まるようなスケールで纏めました。

こういう“遊び心”のある家具設計は楽しいものですね。




2015/11/05(Thu) 『東出雲の家』 計画案萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



昨日提案した、『東出雲の家』計画案。
“家”とは名付けたものの自動車修理工場も兼ねているから、“併用住宅”の方が正確なのでしょうか。(タイトルに悩む…)

八雲村のほど近く、山の裾野に位置する台形型の不整形かつ高低差のある敷地。
それなりの敷地面積はあるのですが、土砂滑りのリスクによる影響や造成を少なく抑えるために、敷地境界線からなるべく離して配置計画をしました。

修理工場と住居のボリュームを分けて、工場は道路と平行に、住居は道路に対して45度振れている敷地境界線と平行に配置。
それによって最小限の造成と、工場と住居の分離が可能となって、プランの接合点でお互いの行き来が出来るようなプランニングを図っています。

山に囲まれた自然条件の厳しい環境に対しては屋根と外壁をガルバリューム鋼板で一体に包んだ“小屋”のようにシンプルな機能性を持たせたフォルムとして、妻側は深く屋根を張り出して、木の素材感と向こうの山林が抜けて見えるようなガラス面を組み合わせました。

45度に振ったお互いの棟の間に出来る三角形のスペースには中庭を配置して、人の手が入った志向性のある中庭の緑と、山林の力強い緑が一度に望めるよう開放しています。

天井高さが必要な工場の軒高さと平屋の住居の棟高さを揃えることと、外部から中庭への視界を遮るコンクリート塀によって、全体のボリュームに統一感を造り出す意図。

提案としてはともかく、要望されたスケールと予算とのギャップが予想されましたので、工場の面積を絞って今後の改善点とする方向となりました。

次回は分棟型ではなくて単棟型の提案になりますでしょうか。




2015/10/30(Fri) 徳平食堂萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



本日は構造判定適合検査申請のため、検査機関のある松江市に行ってまいりました。
昼食で立ち寄ったのは、おでんが美味しいと評判の中原町にある『徳平食堂』。
かなり鄙びた居酒屋の佇まいは60年を超える老舗だそうです。

松江市は『全国おでんサミット』が開かれるくらい、おでん専門店が多いのですが、元々は懐石料理のひとつとして豆腐を煮込んだことがおでんの始まりだと云われていて、かの松平不昧公が江戸や京都で流行っていたこの料理を持ち帰って広まったことに由来しているのだそうです。

本日いただいたのは店自慢の『おでん定食(¥650-)+牛すじ(¥250-)』。
さすが60年続いているだけあって濃厚な出汁の深みを感じさせる後味。
普通は昆布とカツオ中心に出汁をとりますが、それに加えて牛筋のコクと白味噌を加えた独特の甘みが特徴的です。(日本酒に良く合いそう。)

その他では意外にも『チャーシューメン(¥850-)』の完成度の高さに驚き。
あっさり豚骨ベースのスープとちぢれ麺はどこか懐かしさを感じさせ、じっくり煮込まれたチャーシューは老舗おでん屋の出汁がしみ込まれ、その上に表面をバーナーで炙って香ばしい風味までつける拘りようです。(落語家の『林家木久蔵』さんもお気に入りだそう…)

寒くなる冬場、近所にあったら通い詰めそうなお店ですね。




2015/10/20(Tue) 『新開の家』 外構工事萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



本日、米子『新開の家』では最終工程の造園工事が終了して、ガーデンライト位置の打ち合わせをしてまいりました。

約200坪の敷地に対して建築と植栽の配置とボリュームは、いろいろシュミレーションを繰り返して頭を悩ませたところ。

緩勾配の凛としたイメージを持つ方形屋根の清廉さを際立たせるように、前庭の大部分はコンクリート刷毛引きの“無空間”の表現。
コンクリート面の割れ防止のための入れる誘発目地は、約3mごとにピンコロ石を並べて、シンプルな表情を崩さない程度のアクセントを施しました。

広がりのある前庭に対して、ボーダー石の塀と樹木、低い軒によって囲まれた、“絞られた”アプローチ空間を造り出すことで、開放的な玄関ホールが相対的により体感できるような空間の連続性を意図しています。

植栽は隣家とのプライバシーを保つ意味合いと併せて、アプローチする側から樹木が重なり合うことで整然とした建築のフォルムに奥行き感と、動きのある樹木との対比によって静穏なイメージを与える重要な要素。
常緑と落葉、低木、苔類を織り交ぜながら、四季の移ろいを感じられるような美しい造園に仕立てていただきました。




2015/10/16(Fri) カフェ 『しろくろや』萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



本日は私の行きつけカフェ、米子市蚊屋にある『しろくろや』の企画で年に2回ほど行われる『チーズカフェ』という、本場イタリアやフランスの厳選された熟成チーズを楽しんでまいりました。

普段は手作りベーグルサンドやケーキがいただけて、味もさることながら店内の落ち着き具合、地元作家の雑貨など、ディスプレイのセンスは女性に好まれています。(私以外の男性はほとんど見たことがない…)

本日のチーズカフェは“チーズプロフェッショナル”という資格を持つ、オーナーの友人が来られてチーズ検定と併せて行うというもの。(私は食べるだけ…)
7種類の熟成チーズをいただきましたが、どれも濃厚で、言葉では云い伝えられないほど強烈な風味と何段階かに感じられる後味の変化に驚かされました。

このたびはチーズの王様といわれる、イタリア政府の保護を受けた、1,000年以上の歴史をもつ『パルミジャーノ・レッジャーノ』がテーマ。
日本では粉チーズで使われる『パルメザンチーズ』という名称と同じものですが、本日いただいたものは全く別物と感じる上品な風味でした。(写真の白いチーズ)

チーズはおおよそ1年以上熟成させるのが普通で、熟成期間が浅めのものは白ワインやスパークリングワイン、熟成期間が深いものは赤ワインがよく合うそうです。

結構な濃厚チーズの量をいただきましたが、その後まったくもたれることがなかったは、添加物が入っていない伝統的な製法で作られた純粋な食品だからなのですね。


しろくろやブログ:http://sirokuroya.exblog.jp/




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