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萬井 博行 よろい環境計画事務所

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2015/07/16(Thu) ガラスの茶室 – 光庵萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



昨日、録画してあった『日曜美術館(アートシーン)』で放送されていた、『ガラスの茶室 – 光庵』を見ました。
元々はヴェネチアビエンナーレの茶室建築プロジェクトとして発表された模型だったそうですが、『京都・フィレンツェの姉妹都市提携50周年』を記念する展覧会として実物が再現される運びとなったそうです。

この建築(建築と云えるのか…?)の発案者は、日本を代表するプロダクトデザイナー『吉岡徳仁』。
ニューヨーク近代美術館やパリのポンピドゥーセンターなどの美術館にパーマネントデザイン(永久所蔵)として作品が収蔵されていて、「世界が尊敬する日本人100人(ニューズウィーク紙)」の1人に選ばれています。

床の間も炉もなく、伝統的な茶道の流儀からすれば、“ありえない”しつらえなのですが、吉岡さん曰く「茶室という様式ではなく、日本人が自然に対する本質の根源を表現したかった。」とのこと。(判るような、判らないような…)

ともかく建築として見ても面白く、素材はガラスとそれを支えるステンレスフレームのみ。

当初模型の屋根はガラス瓦だったようですが、よりシンプルな表現を求めて1枚ガラスを重ね合わせたもの。
ガラスは酸化鉄によって少し青みがかり、それが反射して映り込むものですが、より透明度を求めて『高透過ガラス』を採用しています。

『鏡面仕上げ』としたステンレスフレームは、廻りの空を反射させて景色に溶け込ませ、“存在感を消す”意図があるそう。
太陽の角度を綿密に調査して、太陽光がステンレスに当たって出来るプリズムがガラスの床に映り込む様子を、茶室でいう掛け軸や花に見立てている、という演出を施しています。

会場は京都、『青蓮院飛び地境内 将軍塚青龍殿』。
来年春まで展示していますので、機会があれば訪れてみたいものです。




2015/07/14(Tue) キンベル美術館 ― ドローイング・コレクション萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



しばらくブログが滞っておりました…。

このたびの建築雑誌『a+u(建築と都市)』は、1972年に竣工した『キンベル美術館』の特集。
20世紀を代表する建築家、『ルイス・カーン』の“沈黙と光”という言葉の概念を具現化したような建築です。

この美術館最大の特徴はトップライトから入り込む自然光のコントロール。
構造躯体をそのまま表した曲面のコンクリート打ち放し天井の頂部にトップライトを設けて、その下にアルミの反射板を取り付けることで、光が反射して天井沿いに均一で柔らかい光が空間に降り注ぐ、という効果を図っています。(ざっくり云うと…)

本文では詩人のようなルイス・カーンの能力を奮い立たせるプログラムを作ったクライアントや、技術協力した設計事務所、数々のエンジニアとの協働のくだりはこれまでの文献になく面白かったですね。

ミリ単位のズレも許容できない素材同士の厳しい納まりと凄まじいまでの施工精度は、膨大な手書きのドローイング(製図)から成り立っているんだな、と改めて納得。
崇高な思想とエンジニアリングが互いに妥協することなく、チームワークとして造っていく過程こそ表現するべきで、より現実的でもあると感じ入りました。




2015/06/16(Tue) 『吉田璋也生活デザイン』展萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



先日は米子高島屋で催されていた『吉田璋也生活デザイン』展を覗いてまいりました。

吉田璋也さんは昭和時代、柳宗悦さんと共に『民藝運動家』として活動され、医師でありながら陶芸・木工・金工・竹工・染織・和紙などの工人をサポートしつつ、自らもデザイナーとして活躍する、というマルチな才能の持ち主。

事業者としても鳥取の工芸を流通・販売させるべく、販路開拓をプロデュースされていたそうです。(医師される時間あったのか…?)

吉田さんのデザインは伝統性を踏まえながら、人が触れる部分を柔らかな曲線で造り、職人の高い技術を活かした精度の高い継手(ジョイント部)が特徴。
直線と曲線を絶妙なバランスで違和感なく組み合わせている秀逸なデザインです。

写真は以前から所有したいと思っていた、『木製電気スタンド』。
脚と胴部分はケヤキを削り出して丸みを付け、傘は直線的なフレームに因州和紙を貼っています。(上部のポッチは白熱球の熱を逃がす通気孔)

塗装は“拭き漆仕上げ”といって、素地造りから塗装、拭き取りを幾つも繰り返す手間暇のかかる仕上げ。
ケヤキの木目を見せつつ鈍い光沢を出している木部の“黒”と因州和紙の“白”のコントラストが鮮やかさは目を惹かれます。

この因州和紙を通したロウソクのような赤っぽい発色は、ベットサイドの読書用の光として最適でしょうね。




2015/06/09(Tue) 清松庵 たちばな萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



昨日松江での打ち合わせに使わせていただいた場所は、袖師町にある甘味処、『清松庵 たちばな』。
和菓子と抹茶を提供していただける“和喫茶”という位置付けになるのでしょうか。

約20年近く経つこのお店、私が松江で務めているときからここの造園は素晴らしいと感じていましたが、それをしつらえた造園家の方に私の仕事をお願いして、ここで打ち合わせが出来るとは感慨深いものです。

9号線越しの宍道湖が望める絶好のビューポイントを活かした自慢の客席。
決して広いとはいえない庭園スペースでありながら、起伏と水のせせらぎ、苔やシダ類を効果的に配置して、自然かつ抑揚と変化に富んだ庭になっています。
さらに落葉樹と常緑樹を織り交ぜた中木をスクリーンとして9号線の車道を隠し、その向こうに見える宍道湖と庭との連続性を造り上げた手法は、慎ましくも計算されつくしているな、と当時から感じ入っていました。

車庫から玄関まで続くアプローチの石畳みも両脇に苔や灌木、落葉樹を配して、季節を感じつつ、木々のトンネルのように一度絞られた空間を造ることで店内と宍道湖への景観が広がるように演出されています。

この美しい庭と景色を見ながらいただいく生菓子と抹茶のセットは格別でした。




2015/06/02(Tue) イタリアン 『トリム』萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



本日安来市での打ち合わせの前にランチで立ち寄ったのは、親子2代で営んでいる安来町にある隠れ家的イタリアン、『トリム』。

元々洋食屋として30年以上営んでいて、バラやアイビーなどのツタ類が外壁を覆っていて、慎ましさの中に歴史と趣を感じさせる佇まいをしています。

現在は息子さんがイタリアンの名店から戻られて、昔ながらの洋食(お父さん担当)とイタリアン(息子さん担当)が楽しめる店に生まれ変わったそうです。

本日は前菜やパスタが楽しめる『ランチセットC(¥1,550-)』をオーダー。
前菜とラザニア、自家製パン、ティラミス、コーヒーをいただきました。(食べ過ぎか…)

地元の農家から仕入れられているという新鮮な野菜を使った前菜の色は、濃くて鮮やか。
素材が持つ甘みや苦みが感じられるように、調味料やオイルは抑え気味にしているようです。

面白かったのは小さな土鍋で提供されるラザニア。
柔らかめに茹でているラザニアの食感には好みが分かれるところだと思いますが、間に挟まれているのはミートソースではなく、ホワイトソース。
その上にはカッテージチーズとトマトソースを掛けた組み合わせなので、こってりとしたホワイトソースとさっぱり酸味の効いたトマトソースどちらの味も楽しめながら、お互いの風味を邪魔しない絶妙な配合でした。

マスカルポーネでなくカッテージチーズで作られた(たぶん…)ティラミスはあっさりと、洋酒の香り高い一品。
サイフォンで淹れているコーヒーとも良く合いますね。

昔ながらの洋食屋の代名詞、2種類から選べるオムライスも懐かしくてお勧めです。




2015/05/29(Fri) 『新開の家』 屋根工事萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



米子、『新開の家』では晴天にも恵まれて、屋根瓦工事が完了しました。

ゆとりある敷地いっぱいに配置したプランにかける屋根は『方形屋根』。
四角錘型の形状はお堂などによく見受けられ、静謐なイメージかつ優美で均整の取れたシルエットを形成しています。

「和瓦も悪くないだろうな。」と思いつつ、この屋根形状にはどうしてもコーナー部をスッキリ納めたかったので、三州の平瓦を採用。
3.5寸の勾配ですが、コーナー部のラインが際立っていいるせいか、もっと緩勾配の落ち着いた印象を与えます。

光沢の少ないマットな銀黒色の釉薬は、日が当たるとシルバー、雨が降るとグレーと、天候で変化する豊かな表情。

軒を深く出した瓦は天井断熱材はまだ敷設していないにもかかわらず、内部は今日の気温(30度近く)くらいでもエアコンは必要ないくらい快適でした。

先日は頂部付近にはガラスで作られた瓦を施すため、瓦職人さんと位置の協議。
瓦の割付と光を落としたい場所を兼ね合わせながら、玄関ホールに自然光を落とすよう意図。
プランセンター部には窓からの光が届きにくく、暗がりを造れることでトップライトの強い光がより印象的になるよう計画しています。

敷地にはそれなりの“引き”がありながら、この1辺が17.5mの屋根をカメラに納めるには、広角レンズの12mmでギリギリ。

この屋根と相対する外構・植栽にはまだまだ悩みそうです。




2015/05/18(Mon) ダイニングチェア 『KISARAGI』萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



先日淀江の『国頭家具』に立ち寄った際に紹介いただいたチェア は、2014年グッドデザイン賞金賞を受賞した飛騨産業の『KISARAGI』。

デザインの美しさもさることながら、この椅子がいままで類を見なかったのは、杉材を加圧プレスかけることで強度を確保しつつ、伝統的な曲げ加工や削り出しの技術を用いてシャープなデザインを施したこと。

戦後植林された杉が外材に押されて使われなくなりはじめている現状を、家具でその素材の良さを再認識することで新たな価値を見出す、という自然のサイクルを意識したコンセプトも金賞に輝いた所以でしょうか。

杉の柾目(木目がまっすぐな部位)はこれまで建築材料や工芸品などで用いられてきましたが、家具としては強度が不足しているため、あまり使われていない素材でした。
これまで造られた杉無垢材の家具は強度上部材断面を大きくせざるえませんので、その“量感”を魅せるようなデザイン手法が多い気がします。(それはそれで価値があるのですが…)
建築材料に比べて家具は含水率コントロールもシビアで、湿気によって膨張しやすいことを考えると無垢材で使うにはかなり管理が強いられる素材ですので、製品としての安定供給が難しいのでしょうね。

いずれにしてもこれだけのボリュームの杉の圧縮技術としては初の試みで、部材の大きな家具を均一に加圧プレスすることも、かなりの技術を要することが想像できます。

カタログを見た限り、木の表情は杉というより“チーク”のように硬質で赤褐色のイメージがありながら、杉本来の柾目の美しさと赤身がはっきりとした“和”のテイストを感じさせる不思議な印象。
脚だけ木目を使って、背板とアーム、座面を柾目とすることで、それぞれのコントラストを楽しむ、という意図もあるようです。

価格帯も杉をイメージすると高価に感じるかもしれませんが(12万前後)、この色味と柾目の美しさに座り心地が重なれば、私の“ホシイホシイ病”が再発する予感も否めません…。




2015/05/12(Tue) パン 『一心庵』萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



先日鳥取市から戻る際、夕刻には9号線が混み合うため(特に白兎海岸あたり…)、吉岡街道方面を走り、鹿野町にあるパン屋、『一心庵』に立ち寄りました。
元々大手パン製造会社に勤めておられた店主がこの城下町を気に入り、古民家を改築して約4年前にオープンされたそうです。

場所は鹿野城跡地の城下町の名残を残す住宅地街区の一画。
“隠れ家店フェチ”の私の心をくすぐるには申し分ない隠れ具合をしています。

もちろんこれだけ人目につかない中での営業は実力が伴っている裏づけがあるものですが、その期待を上回る魅力がこの店にはあります。

けして広いとは云えない店では1日50種類くらいのパンを焼かれるそうで、毎月新商品を開発されるというほど研究熱心さ。
地元鹿野の醤油や味噌、酒粕、蕎麦粉、生姜、野菜を使い、素材の良さを引き出しつつ、その濃い風味が立ちすぎないほど力強い小麦の味が高いレベルでバランス良く保たれているような印象。
なにを食べても店主のセンスの良さが感じられますね。

これだけの品質に対して良心的な価格設定は、地元の方が日常使いで気軽に買えるようにとの気遣いなのでしょうが、この強い信念と優しさがこのパンの味に込められているような気がします。




2015/05/08(Fri) ごはんやブランチ萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



連休のゴールデンウイークはそれなりに休ませていただきましたが、遠出はせずに近郊のグルメ探訪をしていたために体重は激増…。
一昨日の日野町では昼食に蕎麦屋と洋食屋をはしごするという食欲まるだしの暴挙に出る…。

しかしながら初めて立ち寄った洋食屋、『ごはんやブランチ』は、手作り感あるクオリティの高い料理で満足いたしました。

店名に“ブランチ”と名付けるほど、野菜が多いボリュームある内容。

オーダーした『ハンバーグ定食(たしか¥850-)』は、注文受けてから肉をこねるこだわりようで、それなりに時間かかりましたが、厨房を囲むようなオープンキッチンになっていますので調理の様子を見ながら待ち時間を楽しめます。

結構なボリュームのハンバーグは牛肉100%の鮮度の高いパテで、赤ワインでじっくり煮込んだと思われるコクの強いドミグラスソースが赤身のあっさりとした風味と良く合っていました。

驚いたのはほかの方がオーダーされていた『とんかつ定食』のカツの大きさ。
肉の塊から3cmくらいの厚さに切り分けて、それからパン粉をまぶして年季の入ったフライパンで揚げる店の看板メニュー。
とても美味しそうでしたが、蕎麦を食べた後にこれを間違ってオーダーしていたら、と思うと完食するイメージがまったく浮かびませんでした…。

今度訪れるときには生地から作っているというピザも食してみたいものです。




2015/04/28(Tue) 鳥取ぽかぽか温泉萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



先日は鳥取市で行われたJIA(日本建築家協会)の会合帰り、疲れを取ろうかと道中古海にある『鳥取ぽかぽか温泉』に立ち寄ってまいりました。

大型ショッピングモール内にあるスーパー銭湯らしき佇まいと、“ぽかぽか温泉”という微妙なネーミングに半ば期待せず入りましたが、逆の意味で期待を裏切られる素晴らしい泉質でした。

皆生温泉には及びませんが、塩分濃度と保温性が高く、就寝前に入ると熟睡できる“塩化物温泉”。

湯量は360L/minと豊富で、源泉温度が46℃と適温なので、加温も加水もない新鮮な湯とも読み取れます。

外の露天風呂は硫黄泉のような硫化水素ガスが含有している独特の臭気で、山陰地方には珍しい特徴ある泉質に驚きました。(表記になかったのは保健所申請の都合上…?)

他にも“心臓の湯”といわれる『高濃度炭酸泉』は、体内に取り込まれた炭酸ガスが全身の血管を拡張し、血液の循環をよくする効果があるといわれています。

湯上りは予想通り血管が浮き上がるくらい血流が促進されているのを感じながら、休まず米子まで戻らないとならないスケジュールのタイトさが恨めしい気分でした…。




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