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萬井 博行 よろい環境計画事務所

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2015/04/01(Wed) 『溝口の家』 再提案萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



「縁側から望める庭を設けたい。」との意向で、先日再提案した『溝口の家』。
1階の必要面積からすればスペース的にかなり難しいプランニングでしたが、なんとか納めることが出来ました。

既存母屋を解体して建て替えるこの計画。
それなりの敷地面積ではありますが、既存離れを残すことで敷地形状が矩形でないので、いかにプラン動線が間延びしないかが重要でした。

車庫をビルドインにして、サブホールを介してプラン中心部である共用ゾーン(居間・食堂)に導入することで各プライベート空間への動線をコンパクト化。
そのことにより本玄関から入る客動線との交錯を避けた、スッキリと区画したゾーニングにしています。

車庫の屋根を門の上部まで延ばすことで、“奥行き感”と屋根ラインの“軽快感”を演出。
門から玄関までの屋根も一体化して雨に濡れないようにアプローチできるしつらえとしています。

このたびは同じプランで2つの屋根形状を提案。
1階と2階の屋根を分けてそれぞれの重なりのバランスを図った『切妻屋根案』(写真上)と、1階屋根が2階まで1枚の屋根で包み込む『大屋根案』(写真下)を造りました。
切妻屋根案が繊細な表情で、大屋根案がおおらかでダイナミック、というところでしょうか。(大雑把に云えば…)

施主と協議して切妻屋根案の採用となりましたが、大屋根とする場合はもう少し敷地のゆとりと前面道路から望める“引き”がほしいところですね。




2015/03/30(Mon) カフェ 『PARADE(パラード)』萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



最近は花粉症にも関わらずスパイスの香り強い、昭和町の隠れ家的カフェ『PARADE(パラード)』のカレーにハマっています。(今のところ週1ペース)

元々バレー教室だったというこのカフェの佇まいは、リサーチしても路地を間違えるくらい、住宅地の中へ自然に溶け込んでいます。(看板小っちゃいし…)

元バレー教室らしく、おそらく壁一面に鏡があったであろう目線に入る窓はなく、ハイサイドからの採光が古い木の床材に当たって静穏な空気感を漂わせています。
周囲が住宅街の喧騒地であるだけにこのコントラストは見事ですね。

席数も床面積の割にかなり少なく、カフェとして居心地の良さへの追及にこだわりを感じます。

カレーの具材は基本的に魚介類と肉類の2種類のみで、内容は定期的に変わるようです。
何度かいただいた印象では、魚介が比較的あっさりとスープのような感覚で、肉類はコクがあるけど後を引かない食べやすさ。
クミンやカルダモンのスパイスがそのまま入っていて、かすかな苦味と強い清涼感が特徴。
どちらも食べられる2種類のカレーセットは両方の味の違いが楽しめてお勧めです。

先日は魚介のカレーがなかったので、肉類の『キーマカレー』をオーダー。
ひき肉のコクとさっぱりした香辛料が絶妙の組み合わせ。
カレーを引き立てるターメリックライスの香りと程よく芯を残したご飯の硬さも私の好みです。

ご主人が淹れる珈琲も拘りあるようで、比較的酸味が強めですが軽くはない不思議なバランス。
カレーの食後や、自家製のスコーン・ケーキに合うような風味の豆を選ばれているのでしょうね。




2015/03/25(Wed) 『横浜町の家』 アプローチ萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



松江市、『横浜町の家』では敷地奥に位置する実家へのアクセスのため、新たに門と駐車場、木塀、アプローチ空間を設計いたしました。

江戸時代の区割りを残すこの街区での間口は狭く、アプローチとして使える空間は約1.4mの幅員。

アプローチの両側は塀と駐車場のボリュームが立ち上がるので、約15mもあるこのアプローチ空間が暗さや圧迫感を感じないように、且つどのようにしつらえるのか、頭を悩ましたところです。
目線と揃う両壁素材は無垢の木材を使用し、壁側と木塀側の仕様(貼り方)を変えることで、長いアプローチが単調にならないよう意図しています。

駐車場壁は上部を漆喰塗りにして、そこから反射・散光した自然光がアプローチ空間にしっとりとした光を落とすようなイメージ。
腰壁を『押縁下見板張り』という、板材を下から重ねていくように葺くことで雨水の切れを良くし、木材腐食の可能性を低減する伝統的な工法を採用しています。
位置的に目線が近くなることと、門のスケールと同調させるために、板の割付巾を小さめにして繊細な表情を出しています。

アプローチ通路脇には30cmの植栽ゾーンを設けて、床と基礎の立ち上がりは『豆砂利洗い出し』としたもの。
縁石と踏み石に柔らかい凝灰質砂岩の『来待石』を使い、土を混入させたモルタルを用いてセメントの風合いをなるべく消すことで優しい表情になるようなテクスチャーにしています。
いろいろ提案してくださった造園家の方には感謝しています。

車庫の軒下に差し込むように納めた銅板葺きの門は、床から軒先まで1.92mという“ヒューマンスケール”な高さ。
限られた実家の前庭スペースは、絞られたアプローチ空間と低い門の軒を通ることで、眼前が開放されたように広く感じる“身体的ギャップ”の効果も図っています。

実はこの門の建具は電子錠を使った“ハイテク仕様”。
建具の中に配線を通すことで無骨になりがちな格子戸を繊細に保てるよう納めてくださった電気・建具屋さんのご苦労にも頭が下がる思いです。




2015/03/23(Mon) 『横浜町の家』 木塀萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



昨年完成した松江市『横浜町の家』では、ご両親が所有される隣地との境界に木塀をしつらえました。

この塀は玄関脇の坪庭の塀も兼ねているので、目隠しの用途を持たせつつ、庭木のために風通しの機能もある、伝統的な『大和塀』を採用。

目線を防ぎながらあまり圧迫感を感じないくらい、かつ建物の梁と木塀の間からサラッと枝木が望めて来客の目を楽しませるくらいの高さ(1.7m)を設定しました。

板材をそれぞれ千鳥に(交互に)貼ることでリズミカルな表情が出ることと、 板材同士がくっついていないので湿気乾燥による木の伸縮を妨げない効果がある優れた工法。
ただ構造・板材など全面化粧仕上げになりますから、材料費が一般的な木塀より高価になるのは致しかたないところですね…。

構造がそのまま表れる仕様なので、柱のピッチや板材の幅・厚み、重ね代はいくつかシュミレーションを検討しました。

一般的な大和塀は縦の板材のみのスタンダードなデザインですが、意匠的に少し変化と軽快感が出るように、笠木の下に30×30の細い水平ライン(横材)を設置。
普通に柱間で使うと“たわみ”が出る断面寸法ですが、45度に振ることで軽快さを保ちながらたわみを防いでいます。

水切りと揃えた笠木の銅板も、くすんだ良い色合いになりつつあります。




2015/03/17(Tue) 和風カフェ 『香豊堂』萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



先日鳥取市で打ち合わせの際、昼食に立ち寄ったのは千代水にある和風カフェ、『香豊堂』。
手作りランチが美味しいと評判のお店です。

国道29号線からほど近く、大きな店舗やオフィスビルに囲まれた中にポツンと佇むような古い民家のしつらえは、周囲が雑然としているだけにそのコントラストが印象的。

内部は柱・梁、土間をそのまま表して、民芸の調度品でディスプレイした落ち着いた空間。
一人でしたので天井の低い土間のカウンターで食事しました。

先日のチョイスは『ハンバーグランチ(¥700-)』。
ご飯は玄米か白米が選べて、スープは日替わりで変わるそうです。

ハンバーグは新鮮な肉質はさることながら、肉の風味を抑えて、煮込まれた野菜の甘みが充分に出たドミグラスソースが特徴的。
量はほどほどですが、全体に“家庭的な”やさしい味付けの印象です。

サイフォンで淹れたコーヒーもすっきりとした飲み口。
萩焼のカップもこの空間と良く合っていますね。

再度訪れた際には、お店自慢の手作りケーキも堪能したいものです。


香豊堂facebook:https://www.facebook.com/wakuwakukahodo




2015/03/13(Fri) 小島基と戦後鳥取の産業工芸萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



昨日は構造打ち合わせと以前設計したクリニックの点検のため、鳥取市に赴きました。

結構タイトなスケジュールの合間を縫って、県立博物館で催されている、『知られざるプロダクトデザイナー小島基と戦後鳥取の産業工芸』を鑑賞。
あらためて戦後鳥取の工芸レベルの高さを確認いたしました。

小島さんは鳥取県工業試験場の“デザイン技師”という役職。
県職員がデザイナーとして作品を作ることなど現代では想像できませんが、当時は欧米の椅子の生活を取り入れるため、鳥取県を木工産業の拠点となるよう国の方針として推進していた、という背景から小島さんのような方が活躍されていたそうです。(そういう意味では羨ましい時代…)

1950年前後のヨーロッパや日本の有名デザイナーの家具と小島さんの作品を同時に並べている“インスタレーション”的な展示。
その時代背景に対する鳥取の木工産業が担った歴史の比較と、小島さんの作風の変化とセンスの良さが良く分かる面白い内容でした。

成型合板の技術が欧米から入ってきた時代は、造形の自由度と量産できることで家具の普及が広がった反面、仕口や曲げ木の職人技はその前時代のほうが魅力的で、和と洋が混在する生活スタイルの模索を垣間見ることができました。

小島さんが造られた直線的な椅子(写真)の脚は、振れを防ぐ横桟がなくて座面に差し込むだけ、というシンプルながら綿密に計算された断面寸法と仕口が特徴。
現在のような乾燥技術もない時代に、50年以上たっても精巧で狂いのない仕口になっているのは、それだけ良材かつ長期の天然乾燥が出来ていたからで、そのストックが許されるほどの仕事量があったとも云えますね。

そういう“ものづくり”大切にしてきた鳥取県の職人さんとメンタリティが失われつつあるのは、時代の流れとはいえ、いち設計士としてもとても寂しい限りです。




2015/03/05(Thu) 菜食cafe 『はなあみ』萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



花粉症の時季になってきた最近は、鼻炎に反応する塩分・糖分・脂分をなるべく採らないようにしていますが、昨日ランチに訪れた米子市福市にあるカフェ『はなあみ』は理想的な食事でした。

『マクロビオティック』を薦めるこのお店、野菜を中心とした食材で、肉や過度な調味料を控えて、素材そのものが持つ風味や食感を前面に出し、それぞれの“補完性”で構成していく、というイメージ。
どうしても薄味になるのは当然で、調味料の濃い味に馴れてしまった舌ではかなり物足りなく感じるでしょうね。

ランチメニューは定食のみですが、旬の野菜を採り入れながら時季によって変えていくようです。

昨日は有機野菜サラダと豆の煮もの、大根と昆布の酢のもの、ホウレン草の梅肉あえ、カボチャのコロッケ、玄米おにぎりに味噌汁、という組み合わせ。

なるべく鮮度の良い提供を心がけているようで、注文を受けてから下ごしらえを始めますから時間に余裕のない方にはそもそも不向きです…(待ち時間30分くらい)。

口に入れた瞬間は薄い味付けの印象が強かったのですが、食材が新鮮なだけあって噛めば噛むほどじんわりほのかな甘みや苦味が後味として追いかけてきます。
充分咀嚼するので、量が少なくてもそれなりにお腹は満たされる効果もあるようです。

私が訪れた中でもベストな“隠れ家度”を誇るお店ですが、高台に面した視界が広がるロケーションは、密集した住宅街の中だけあってそのギャップが見事で、時間がゆっくり流れているような店のつくりにもセンスが感じられました。

はなあみ:http://nanahanaami.tumblr.com/




2015/03/02(Mon) 『新開の家』 地鎮祭萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



昨日は米子『新開の家』の地鎮祭を、安来『清水寺』で行ってまいりました。

私の“コンスタント雨男”とクライアント奥様の“ピンスポット晴女”の戦いは、私に軍配が上ってしまいましが、天気予報でも高確率の雨予報でしたので、現地での地鎮祭は控えて清水寺で行うことになりました。

お寺での地鎮祭は私も工務店も初めての経験。
いろいろ事前準備に手間取りましたが、お供え物や式の流れとしてはわりと神式と近い気がしますね。

違いといえば、地中に入れる“鎮めもの”で、神式はお札をそのまま入れるのに対して、仏式は50センチくらいの木箱に真鍮の芯棒を中心に据えて、その周りにお供え物(お米、塩、乾物など)を置き、その上からスコップで砂をかぶせたものを埋めるという形式。

神式は椅子に座って(あるいは立って)行いますが、仏式は基本正座ですので、30分くらいお経を読まれる間に私の足のシビレが臨界点に…。
スコップで砂をかけるときに立ち上がる際には、生まれたばかりの仔馬の気分を味わいました…。

清水寺は何度か訪れたことがありまして、下の山門から石段を登ってくるのが普通だと思っていましたが、本来は山頂近くの『仁王門』をくぐって、稲荷社で身を清めてから本堂で拝む、というのが正式な順路だそうです。

仁王門はその名の通り2体の仁王を左右に配置した安定感のあるフォルムですが、銅板葺の入母屋屋根の反りが、重厚さと優美さを兼ね備えたバランス良い美しさを醸し出して、つい見とれてしまいました。

清水寺は桜の名所でもありますので、その時季にまた再訪してゆっくり見学したいものです。




2015/02/09(Mon) ペンション暖暖 食事とライブ萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



先日は大山『ペンション暖暖』にて行われた食事とライブを楽しんでまいりました。

去年に引き続き山陰を代表するシンガーソングライター、『森田さやか』さんの声はいつもながら澄んでいて、体がスッと軽くなるような心地ですね。
“1/fのゆらぎ”という自然界のリラクゼーション効果は森田さんの歌声からも出ているような気がします。

食事は大山の恵みがもたらす山菜、茸類、ジビエなど、野性味あふれる食材を中心としたラインナップ。
その素材の個性を活かしながら誰でも食べやすいように丁寧に下準備・調理されている知識と経験には、ペンションを始められて25年目という歴史が凝縮されたような“深み”を感じます。

特に感じ入ったのは、ご主人が大山で採られた茸や山菜、木の実で作られた“山の幸のオードブル”。
年中保存が効くように乾燥させるそうですが、水で戻すことにより素材の味が一層濃く感じます。
手作りの山葡萄ドレッシングも自然の甘みと酸味が出ることで調味料を必要最小限に抑えていて風味抜群。(ぜひ販売してほしいものですが…)

奥さまが作られた柴栗のプチモンブランは、これまで食べたどのケーキ屋のモンブランより栗の風味が強い濃厚な味でした。

販売されている手作りジャムはぜひお勧めです。

ペンション暖暖HP:http://dandan.sanin.jp/




2015/02/02(Mon) そば道場たたらや萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



昨日は娘のテニス大会の付き添いで日野郡に行ってまいりました。

きれいな水と気候の寒暖差があることで蕎麦の栽培に適しているこの地域は、鳥取県一の蕎麦の産地として知られています。

当然のことながら名店もいくつかありまして、その中でも私が好きなのは根雨にある、『そば道場たたらや』。
テニス大会を抜け出して昼食に立ち寄りました。(なんという親…)

たたら製鉄に因んだ屋号だそうですが、昔ながらの宿場町の面影を残す街区に溶け込むような外観。
格子窓から散光した光が漏れる、ひっそりと静寂に包まれた空間で食べる蕎麦は格別ですね。

地元の玄そばを自家製粉、真正手打ちして、“挽きたて・打ちたて・茹でたて”の三たてにこだわった、香り高い蕎麦。
更科風の白っぽい麺で、香りとのど越しが良く、コシが強いのが特徴です。

昨日は寒かったので『釜揚げ(¥820-)』をオーダー。
カウンターに置かれた瞬間、蕎麦の香りがフワッと広がりました。

そば汁はやや甘めですが出汁と醤油が濃いので、少しだけ付けるのが良く、蕎麦本来の風味と歯ごたえ、のど越しの良さを損なわず、地元の辛み大根(かなり辛い…)と合わせて素材の良さを引き立ててくれます。

一人前は若干少なめですので、男性は大盛りか炊き込みごはん(¥160-)を付けられるくらいが丁度良いと思いますね。

親がこんな性根ですので、娘のテニス惨敗でした…。




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