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萬井 博行 よろい環境計画事務所

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2015/09/14(Mon) ごきげん倶楽部萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



昨日鳥取市へ帰省の際ランチに伺ったのは、ナビを入れても正確に案内してくれないほど結構な山奥にある洋食屋、『ごきげん倶楽部』。
広大な芝の敷地にログハウスのレストランとバーベキューハウス、キャンプ施設、ヤギやウサギの小屋などの別世界が、車で市街地から20分ほどで味わえます。

鳥取市中心街にある名店『トマトオニオン(洋食)』と『かぶら亭(和食)』のオーナーが、自身で栽培された野菜を大自然の中で提供したいと、今年3月に開店されたこのお店。
新規開業とはいえ、料理はオーナーの30年の経験が活かされた安定した美味しさでした。

昨日は『日替わり定食(¥860-)』をチョイス。
コーンポタージュとサラダ、ハンバーグ、カキフライ、スパゲティ、という洋食の定番をリーズナブルな価格で提供してくれるお店はありそうでないですよね。
手作りのデミグラスソースやタルタルソースも、新鮮な野菜の甘み、酸味を引き出した素材感の強い風味が後味で追いかけてきます。

子供がオーダーした『ステーキカレー(¥980-)』は、柔らかいステーキ肉と、軽くソテーした自家製野菜の濃い風味が楽しめる一品。
ちょっとつまんでみましたが、カレーは食べやすい家庭的であっさりとした風味で、大きくカットした新鮮な野菜の風味を楽しむ、というようなイメージでした。

子供連れでも美味しい洋食を食べたいときには最適なお店ですね。


ごきげん倶楽部:http://gokigenclub.com/




2015/08/31(Mon) 『新開の家』 ホール萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



米子市『新開の家』では、内装が終わり、養生も取れて仕上げの全容があらわになりました。

初めて見る人には突っ込みどころ満載のこのホール、プランのセンターラインを貫通するように玄関から対面の庭まで見通せる開放感は、明らかに住宅のスケール感覚を裏切っています。

平屋の正方形プランに対して、居住エリア【居間・台所・食堂・各個室】とその他【駐車場・水回り・サブホール・収納】を繋ぐための、“緩衝エリア”として位置づけている、一見必要ないように見えて重要な空間。(無用の用といいますか…)

水平梁の下で空間用途を間仕切り、上部は天井面が区切られることなく見渡せ、天井の低い外周ゾーンを視線が低い落ち着いたスケール【食堂・寝室等】、中心ゾーンを視界が抜ける高揚感あるスケール【ホール・居間】、という配置。
居住エリアとホールが連続性を保ちながら、生活の延長として多目的に使われるよう意図しています。

床はアプローチから続いている『来待石』。
松江市宍道町の来待地区で1400年前に堆積したといわれている凝灰質砂岩で、江戸時代には松江藩外への持ち出しを禁止していたほど貴重に扱われてきた石材です。
御影石などの硬質な石材と比べて粒子が緻密で柔らかく、熱伝導が低いので素足で過ごしても気持ちよさそうな質感。
独特の青みがかった灰色は年月の経過で黄褐色の味わいある表情へ変化していく楽しみも味わえます。

クライアントは「この空間使いこなせるかな?」とプレッシャーを感じつつ、ハンモックを吊るしたり、家具の配置など、楽しそうにイメージを膨らませておられるのは設計者としても嬉しいかぎりです。




2015/08/24(Mon) 出西窯萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



先日は新築計画の土地選定巡りのため、出雲市方面へ行って参りました。
その道中に立ち寄ったのは斐川町にある『出西窯』。

数々の賞歴と併せて民芸運動の代表的な窯場として全国的にもよく知られていますので、平日の午前中にも関わらず県外ナンバーの車がいくつか見受けられ、中にはタクシーでわざわざ訪れる人もいるほど…。

元々農協の倉庫だった場所を改築したギャラリー兼販売所は、迫力ある梁をそのまま表し、プランセンターに展示を兼ねた大階段を配置することで、回遊出来るような動線と、器の用途に分けたゾーニング、開放的でありながら居心地の良いヒューマンスケールを造り出しています。

製作場は普通作り手として覗かれるのを好まないものですが、ここは迫力ある登り窯と併せて見学可能になっているところに、窯場の近寄りがたい雰囲気が取り払われて、多くの方が訪れるきっかけにもなっているのでしょうね。

先日は見学するだけのつもりが並んだ陶器を見ていくと、私の“ホシイホシイ病”が発症。
有名すぎるものと、好みの“どストライク”を外す傾向にある私ですが、30年以上かけて造り出されたという釉薬の『出西ブルー』を改めて見て、「うーん、やっぱり欲しい。」と購入。
青より濃く紺より薄めの“瑠璃色”に近いイメージで、松江市の『布志名焼』の青釉にも似ていますが、布志名は深く、出西は鮮やかな発色をしている印象です。

大きめのコーヒーカップは安定感がありながら重くなり過ぎない愛嬌のある曲線のラインが秀逸。
ソーサもカップの割に大きめで、空いたスペースに茶菓子など置いたり、中央に凹みがない分、お皿としても機能します。

“使い勝手が良く、丈夫で生活に喜びと美しさをもたらす器”というコンセプトは、実際使ってみるとよく考え尽された手仕事のやさしさを感じさせてくれます。


出西窯:http://www.shussai.jp/




2015/08/18(Tue) カフェ 『田舎家』萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



先日“名水めぐり”にて大山方面へ行った際、休憩で立ち寄ったのは大山寺にあるカフェ、『田舎家』。
大山寺参道から路地を少し入った“隠れ家的”カフェです。

元々は大山寺の支院、『寿福院』というお寺だったそうで、内部のひっそりとした空気感や樹齢300年以上の杉の巨木がある庭のしつらえなど、時間がゆったり流れているような当時の名残を残しつつ、カフェとしての機能を備えた必要最小限の改装はお見事ですね。

玄関を上がって正面には和雑貨の商品が陳列。
庭に面した元々広縁であったであろうスペースにカウンター席を造って、のどかな庭の景色を楽しみながら喫茶ができるようになっています。

先日は豆腐レアぷりん、手作り団子、おからけーき、フルーツの4種類のスイーツが盛られた『田舎家ワンプレート(¥500-)』と、施設内で自家焙煎をしているコーヒー(¥400-)を注文。

スイーツの甘さは控えめで、手作りらしい素朴な風味。
コーヒーは深めの焙煎で酸味が少なく、スッと喉を通るような清涼感がありますね。(たぶん水が澄んでいるのでしょう。)

まだまだ暑さが続きそうですが、避暑を兼ねて訪れてみては如何でしょう。

田舎家:http://www1.bbweb-arena.com/inakaya/inakaya.htm




2015/08/17(Mon) 名水めぐり 2萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



先日は『名水めぐり』の続きで、静養兼ねて奥大山〜関金方面の名水を探索。
峠越えの連続で子供たちはフラフラになりつつ、名水を確保いたしました。
訪れた3か所の採取地を紹介。


□奥大山の源水(日野郡江府町)
奥大山スキー場の駐車場から湧き出ているので気軽に採取が可能。近くには“サントリー天然水”の採水工場があります。広大なブナの森に蓄えられた天然水が湧き水となっていて、夏場でもかなり低い水温。硬度が12〜20という超軟水に該当するまろやかな口当たりとほのかな甘みは、どの名水より抜きんでているような気がします。

□清水の「命の泉」(倉吉市関金町)
清水しか育たないと云われているワサビのが造られる清水川の源流となる清水地区に湧く『命の水』。昔ながらの里山の風景を眺めながら車のすれ違えない山道を入っていくと、足尾神社山裾の岩からこの水(写真)が湧き出ています。約200〜300年前の水が源水だそうで、仙人が発見したという謂れを読みながらありがたくいただきました。

□白山名水(倉吉市蔵内)
花崗岩層のフィルターを通し深さ242メートル余りから汲み上げられた、ミネラル分を含む“冷鉱泉”。近くの関金温泉と同じくラドンが含有することで、飲むと『ホルミシス効果(自然治癒力が高まること)』が得られるそうです。実際の湧き水に比べると鉱泉らしく少し重い、というかナトリウム、マグネシウムなどの風味がしますが、軟水になるので一般的な鉱泉より飲みやすいですね。アルカリイオン水よりアルカリ度が高い“還元水”で化粧水などにも使われています。




2015/08/10(Mon) 名水めぐり萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



昨日は娘の夏休みの自由課題、『名水めぐり』を手伝うため淀江〜大山周辺を巡りました。
訪れた名水地を紹介します。


□本宮の泉(米子市淀江町)
鳥取県の『因伯の名水』に指定。1日当たり3万tという豊富な湧水量をほこり、大山観光道路沿いの『どんぐり村』にも水を引き込んでいますが、本宮神社ふもとにあるひっそりとした神秘的な水源の静けさと水の鮮度を求めるのであれば少し足を延ばしてみると良いでしょう。

□天の真名井(米子市淀江町)
環境省指定の『名水100選』に選ばれている県を代表する名水。『天の真名井』とは「古事記」「日本書紀」において、高天原の「神聖な井戸」を意味し、神聖な水につけられる最高位の敬称だそうです。浸水性のある火山岩に滞水した水が湧き水となっているのでミネラル分も豊富にあるのでしょう。のど越しの軽さと清澄度は群を抜いています。

□白鳳の里(米子市淀江町)
伯耆古代の丘公園近くの観光施設敷地内で、温泉水(33℃)と湧き水(15℃)を汲み上げているようです。湧き水は軽く(軟水)、温泉水は重い(硬水)水でした。温泉水の飲料は消化器系に良いそうで、訪れた方は概ねそちらを持って帰られれるようです。(美味しくはないですけどね…)

□小波上の泉(米子市淀江町)
山陰道淀江トンネル下にある湧き水。トンネル工事の際に偶然湧水したようですが、アクセスの良さも相まって県内外から水汲みに訪れる人気スポット。軟水の部類になるのでしょうが、 同じ淀江町にある天の真名井に比べると若干硬め(硬水)に感じました。

□桝水地蔵尊の名水(西伯郡伯耆町)
大山枡水公園に湧き出る水。枡水の名の由来はこの湧き水からきているそうですが、広大な高原のスケールに対して、湧き水場は注視しないと通り過ぎるほど地味な佇まい…。奥大山方面の水に比べると水温は高めで少し硬水になるのでしょうか。

□御神水(西伯郡大山町)
大神山神社奥宮につながる石畳の参道沿いにある湧き水。昔の修験者の飲み水として大切にされてきたそうで、現在でも参拝者や登山者の喉を潤しています。水温はかなり低く、湧き水らしいクセはあまり感じられなくてのど越しは軽やか。疲れを取り除いてくれるような清澄感とほのかな甘みを感じます。

□地蔵滝の泉(西伯郡伯耆町)
大山平原ゴルフ場近くの佐陀川ほとり、環境省『平成の水100選』に中国地方で唯一指定されています。1日当たり19万tという圧倒的な水量で、名産『八郷米』や日本酒『久米桜』の原水にもなっています。水源はその名の通り泉になっていて、セリやクレソンが群生していてかなりクリアな水質。軟水ですが湧き水らしいクセがいくぶんあるような気がします。


今度は奥大山から関金方面を巡りたいと思っています。(娘より楽しんでいる親…)




2015/07/29(Wed) 因州 中井窯萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



昨日は鳥取市での構造打ち合わせの後に、ちょっと足を延ばして河原町にある『因州・中井窯』に立ち寄ってまいりました。

千代川の支流、清流・曳田川沿いに構えるこの窯元、同じ河原町にある『牛ノ戸窯』の脇窯として約70年前に開窯したそうで、15年前にはかの『柳宗理』さんがこの工房で作品を手がけたことを機に脚光を浴び始めたそうです。

中井窯の特徴は牛ノ戸焼き伝統の“染め分け”という技法で、一つの陶器に2色、あるいは3色別の釉薬を施してそのコントラストを楽しむもの。
同じ黒や緑の色調でも、牛ノ戸焼きより若干淡くてマットな釉薬で、よりモダンな印象を受けますね。

形状は素朴でシンプルな造りながら、人の手が触れる縁や取っ手の触感は程よく、飽きのこないフォルムは実用性においても優れています。
私の自宅でも丼とコーヒーカップを所有していますが、使い勝手が良いので自然と登板回数が多くなっています。

昨日の目的は、現在現場進行中の『新開の家』で使う手洗い鉢(ボール)の相談。
窯元に併設しているギャラリーで、三代目窯主の坂本さんに色合いとイメージ伝えて製作のお願いをいたしました。
ベネチアンガラスタイルをあしらった化粧台にこの手洗い鉢がどのように組み合うのか…。
とても楽しみです。

因州・中井窯:http://nakaigama.jp/




2015/07/16(Thu) ガラスの茶室 – 光庵萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



昨日、録画してあった『日曜美術館(アートシーン)』で放送されていた、『ガラスの茶室 – 光庵』を見ました。
元々はヴェネチアビエンナーレの茶室建築プロジェクトとして発表された模型だったそうですが、『京都・フィレンツェの姉妹都市提携50周年』を記念する展覧会として実物が再現される運びとなったそうです。

この建築(建築と云えるのか…?)の発案者は、日本を代表するプロダクトデザイナー『吉岡徳仁』。
ニューヨーク近代美術館やパリのポンピドゥーセンターなどの美術館にパーマネントデザイン(永久所蔵)として作品が収蔵されていて、「世界が尊敬する日本人100人(ニューズウィーク紙)」の1人に選ばれています。

床の間も炉もなく、伝統的な茶道の流儀からすれば、“ありえない”しつらえなのですが、吉岡さん曰く「茶室という様式ではなく、日本人が自然に対する本質の根源を表現したかった。」とのこと。(判るような、判らないような…)

ともかく建築として見ても面白く、素材はガラスとそれを支えるステンレスフレームのみ。

当初模型の屋根はガラス瓦だったようですが、よりシンプルな表現を求めて1枚ガラスを重ね合わせたもの。
ガラスは酸化鉄によって少し青みがかり、それが反射して映り込むものですが、より透明度を求めて『高透過ガラス』を採用しています。

『鏡面仕上げ』としたステンレスフレームは、廻りの空を反射させて景色に溶け込ませ、“存在感を消す”意図があるそう。
太陽の角度を綿密に調査して、太陽光がステンレスに当たって出来るプリズムがガラスの床に映り込む様子を、茶室でいう掛け軸や花に見立てている、という演出を施しています。

会場は京都、『青蓮院飛び地境内 将軍塚青龍殿』。
来年春まで展示していますので、機会があれば訪れてみたいものです。




2015/07/14(Tue) キンベル美術館 ― ドローイング・コレクション萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



しばらくブログが滞っておりました…。

このたびの建築雑誌『a+u(建築と都市)』は、1972年に竣工した『キンベル美術館』の特集。
20世紀を代表する建築家、『ルイス・カーン』の“沈黙と光”という言葉の概念を具現化したような建築です。

この美術館最大の特徴はトップライトから入り込む自然光のコントロール。
構造躯体をそのまま表した曲面のコンクリート打ち放し天井の頂部にトップライトを設けて、その下にアルミの反射板を取り付けることで、光が反射して天井沿いに均一で柔らかい光が空間に降り注ぐ、という効果を図っています。(ざっくり云うと…)

本文では詩人のようなルイス・カーンの能力を奮い立たせるプログラムを作ったクライアントや、技術協力した設計事務所、数々のエンジニアとの協働のくだりはこれまでの文献になく面白かったですね。

ミリ単位のズレも許容できない素材同士の厳しい納まりと凄まじいまでの施工精度は、膨大な手書きのドローイング(製図)から成り立っているんだな、と改めて納得。
崇高な思想とエンジニアリングが互いに妥協することなく、チームワークとして造っていく過程こそ表現するべきで、より現実的でもあると感じ入りました。




2015/06/16(Tue) 『吉田璋也生活デザイン』展萬井 博行へのご意見はこちらから→ MAIL 



先日は米子高島屋で催されていた『吉田璋也生活デザイン』展を覗いてまいりました。

吉田璋也さんは昭和時代、柳宗悦さんと共に『民藝運動家』として活動され、医師でありながら陶芸・木工・金工・竹工・染織・和紙などの工人をサポートしつつ、自らもデザイナーとして活躍する、というマルチな才能の持ち主。

事業者としても鳥取の工芸を流通・販売させるべく、販路開拓をプロデュースされていたそうです。(医師される時間あったのか…?)

吉田さんのデザインは伝統性を踏まえながら、人が触れる部分を柔らかな曲線で造り、職人の高い技術を活かした精度の高い継手(ジョイント部)が特徴。
直線と曲線を絶妙なバランスで違和感なく組み合わせている秀逸なデザインです。

写真は以前から所有したいと思っていた、『木製電気スタンド』。
脚と胴部分はケヤキを削り出して丸みを付け、傘は直線的なフレームに因州和紙を貼っています。(上部のポッチは白熱球の熱を逃がす通気孔)

塗装は“拭き漆仕上げ”といって、素地造りから塗装、拭き取りを幾つも繰り返す手間暇のかかる仕上げ。
ケヤキの木目を見せつつ鈍い光沢を出している木部の“黒”と因州和紙の“白”のコントラストが鮮やかさは目を惹かれます。

この因州和紙を通したロウソクのような赤っぽい発色は、ベットサイドの読書用の光として最適でしょうね。




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